管理人からのご挨拶
−本サイト開設の主旨−


(はじめに)
 この度は、西郷隆盛のホームページ「敬天愛人(けいてんあいじん)」にご訪問して頂きまして、誠にありがとうございます。
 私、本サイトの管理人をしておりますtsubu(ツブ)と申します。以後よろしくお願いいたします。
 私は西郷隆盛のWebサイトを管理している関係上、よく鹿児島在住の方に間違われるのですが、実は生まれも育ちも大阪の浪速っ子です。そんな浪速育ちの私が、なぜ西郷隆盛に興味を持ったのかと申しますと、最初の出会いは、今から遡ること十八歳の時、鹿児島出身の歴史作家・海音寺潮五郎氏の『西郷隆盛』と出会ったことからです。


(私と西郷隆盛との出会い)
 私は中学、高校生時分から幕末史が好きで、幕末関係の本や小説等をよく読んでいました。
 しかし、正直に言って、その頃の私は、西郷という人物に関して、何もよく分かっていませんでした。

「西郷隆盛は、どういう人物で、何をした人物なのか?」

 この問いに対し、当時の私は明確に答えることが出来ませんでした。
 おそらく現代においても、西郷と言えば、東京の上野公園に建っている銅像や、「薩長同盟」、「江戸無血開城」、「征韓論」、「西南戦争」といったキーワードくらいしか思いつかない人々の方が、たくさんおられるのではないかと思います。これは、多くの人々が持つ、西郷についての率直なイメージや感想なのではないでしょうか。

 また、当時の私は、明治維新の立役者でありながら、最後は政府に対し反乱を起こして死んだ西郷に対し、大きな矛盾と疑問も併せて感じ持っていました。
 そんな私の西郷観をがらりと変えてくれたのが、前述した海音寺潮五郎氏の『西郷隆盛』だったのです。
 海音寺氏の『西郷隆盛』については、本サイト内の「海音寺潮五郎と西郷隆盛」の中で詳しく紹介しておりますので、敢えてここでは触れませんが、海音寺氏の『西郷隆盛』を読み進めていくと、今までベールの中に包まれていた私の中の西郷像が、鮮明に浮かび上がってきました。そして、私はその時からどんどん西郷の魅力に惹かれていったのです。
 これが、私と西郷隆盛との真の出会いであったと思います。


(西郷評価の難しさ)
 西郷隆盛は、俗に「慶応の功臣、明治の賊臣」と言われるように、現在でも大きく評価が分かれている人物です。「史上稀に見る英雄」と褒め称える人もいれば、「時代錯誤的な封建制の巨魁」と批判する人もいます。日本史上これほど評価の分かれる人物は、他にいないと言っても過言ではないでしょう。
 西郷隆盛という人物は、歴史の上辺(うわべ)だけを見て判断すれば、理解するのが非常に困難な人物です。なぜなら、西郷の行動や言動は、非常に複雑で、かつ謎に満ちた部分が多く存在するからです。一般的に有名な坂本龍馬をはじめ、幕末・維新に活躍した人物は数多くいますが、西郷ほど真の実像を理解するのが難しい人物は他にいない、と私はそう感じています。

 このように、西郷の真の実像を捉えることが難しいことから、西郷の行動は世間の誤解を招きやすく、いわゆる「征韓論」などという虚像が生まれ、それが通説化されることになってしまった原因の一つであると私は考えています。
 しかし、西郷の生涯を詳細に研究し熟考すれば、いかに世間の評価や見方に誤りが多いことに気が付きます。
 西郷という人物を理解するためには、深く西郷の行動を観察し、そして時間をかけて熟考することが何よりも必要であると私は考えています。
 これは西郷に限らず、どんな歴史上の人物にも当てはまるのではないでしょうか。一人の人物を理解するためには、時間をかけてゆっくりと考えることが、何よりも大切であると私は思います。時間をかけず、何の根拠も無い、中身の伴わない人物評価など何の意味がありましょうか。
 私は、西郷隆盛という人物を、「高くそびえ立つ大山」のようであると感じています。真の西郷像に近づくために、その大山に何度も何度もぶつかっていくのですが、ピクリともしないことがほとんどです。
 ただ、何度もぶつかっていく内に、たまに少しだけその大山の一角が崩れる時があります。その瞬間が私にはたまらないのです。西郷を調べる醍醐味がそこにあると私はそう感じています。


(本サイトを作成した理由)
 以前から、私は、西郷隆盛の評価が近年著しく低くなっていることに、大きな危機感を感じておりました。
 海音寺氏が「西郷隆盛」を書いた第一の理由は、世に普及している西郷を扱った伝記や研究書の中に余りにも誤りが多く、このままではこれが定説となり、西郷がその妄説の中に埋もれてしまうのではないかという危機感を持ったからでしたが、私もそれに似た危機感を現在抱いております。
 そのため、私は西郷を知らない多くの人々に、少しでも真の西郷を知って頂きたいとの理由で、このサイトを開設することを決心いたしました。
 現在でも、真の西郷像を捉えた良質な西郷関連本や研究書もたくさん発刊されてはおりますが、本離れが進む現代の状況にあっては、残念ながら、西郷を知らない多くの人々が、西郷という人物を正確に理解することがより難しい時代となっています。
 そのため、現在、新しい情報・通信手段として注目されているインターネットを通じて、真の西郷像を発信することが、今、私に出来る最も効果的な手段であると考え、身近に西郷さんを感じとって頂けるサイトを作成しようと思い立ったわけです。


(結び)
 最後になりましたが、私自身も、西郷については、まだまだ勉強しなければならない部分が多く、このサイトの開設を機に、私自身も成長していきたいと考えております。
 末永くサイトを運営するために、新しいコンテンツの設置や既存のコンテンツの追加・更新も、随時行っていくつもりでおりますので、今後とも、西郷隆盛のホームページ「敬天愛人」をご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。