走れ!吉之助(管理人tsubuの日々奮闘日記)


(この日記は、西郷隆盛や幕末・維新史にはまったく関係なく、管理人の趣味や日常生活、雑談などを中心に書いています。また、旅先での出来事や旅日記もここで書くつもりでいます。)

過去ログ(平成13年8月〜12月)


平成28年3月12日(土)<晴れ>「使徒襲来− ドリンクバーを巡る攻防戦」
  今日は仕事も休みの土曜日。
 
少し用事があったので、大阪市内の実家に帰りました。
 宮崎から大阪に帰ってきたのは、今から去ること8年前の平成20年4月のこと。宮崎での生活は丸3年という短い期間でしたが、ほんと良い思い出ばかりです。
 田舎暮らしと言うと、宮崎にお住まいの方に対して失礼かもしれませんが、地方での暮らしは、私には性に合っていたのかもしれません。大阪で生まれ、大阪で育ち、大阪生活がものすご〜く長かったにもかかわらず、宮崎から帰ってきてからは、すっかり人混みが苦手になりつつあります(^^;
 年のせいかもしれませんが、どうも心も体も田舎の人間になってしまったようです。
 宮崎での生活が楽しかったからか、大阪に戻ってきてから、体調を崩して病気を患い、入院生活を二度も送らねばならなくなり(しかも、その内の一回は死にかけました^^;)、ほんと良いことがありませんでした……。
 人間の人生って、ほんと不思議ですよね。良いことが続くこともあれば、悪いことが重なることもある……。
 でも、気持ちは前向きに、心機一転、何とか頑張って行きたいものですね。

 さて、少し前置きが長くなりましたが、私の実家は大阪市内某区にあるのですが、実家に帰ると悩むのが昼食です。
「えっ? 実家で食べればいいじゃん!」
 という声が聞こえてきそうですが、土日の昼は家族が不在なことが多いので、案外実家で食べようにも食べられない時が多いのです。
 そのため、どうしても外食ということになってしまいがちですが、市内にもかかわらず、うちの実家の近所は、ほんとロクな食べ物屋さんがありません。ちょっと気軽にランチとか定食とか食べられるお店が無いんですよね……。

 と、言うわけで、この日は仕方なく、久しぶりに近所の某ファミリーレストランに行くことにしました。
 特に行きたいお店も無かったので「ファミレスで良いか」と気軽に考えたのですが、土日のファミレスはほんと混んでますね〜。私も久しぶりのファミレスでしたが、正午前にもかかわらず、お客さんはほぼ満席状態でした。
 店内に入ると、二人がけの席がいくつか空いていました。私が案内された席は、お店のレジのすぐそばにある、禁煙エリアの席だったのですが、私に遅れること数分後、私の席の隣りに、巨人の野球帽をかぶった一人のおっちゃんが座りました。
 そのおっちゃんは近所に住んでいるのでしょうか、上着は見るからに安物の黒色のジャンパー、ズボンはジャージで草履履きという、今からパチンコ屋にでも出かけそうな軽装です。白髪交じりの感じから察すると、年の頃なら60代過ぎといった感じでしょうか。そんなおっちゃんが私の隣りの席に座りました。
 だいたい隣りの席にどんな人が座るかなんて、よっぽどの美人でもない限り(笑)、それほど注意して見ることも気にすることもないとは思いますが、この巨人帽のおっちゃん、恐ろしいほどの強烈な個性を持つ、稀に見る「傾奇者(かぶきもの)」(←漫画『花の慶次』参照)だったのです。

 そのおっちゃんが席に座ると同時でしたが、私のところに一人の女性店員が注文を取りにやってきました。

「お客様、ご注文はお決まりですか?」

 女性店員は、私と同年代くらいでしょうか、見た目はどうやら主婦のアルバイトのような感じです。

「ポーク生姜焼き膳をください」

 この日、肉を食べたかった私がそう言うと、その女性店員は、

「ご一緒にドリンクバーはいかがですか?」

 と聞いてきました。
 いつもならドリンクバーで
コーラ(←相変わらずの炭酸好き^^;)などの甘い飲み物をたくさん飲みたいところですが、入院して以来、多少は大好きなジュースを控えているため、私は心を鬼にして言いました。

「いいえ、結構です(大泣)」

 店員さんのドリンクバーのオススメを断ったとは言え、私は未練たっぷりでした。

(ドリンクバーかあ……。やっぱり頼んだ方が良かったかなあ……)

 私は後ろ髪ひかれる思いで店員さんの誘惑を断ったのですが、まさかこの後、そんな私の目の前で、その
「ドリンクバー」を巡って、恐ろしくそして激しい攻防戦が繰り広げられるとは、その時は夢にも思わなかったのです。

 私の注文を受けた女性店員がそのままお店の奥に戻ろうとした時、私の隣りの席に座った巨人帽のおっちゃんが声をかけました。

「お姉ちゃん、ちょっと!」

 女性店員を「お姉ちゃん」と呼ぶところが、いかにも大阪のおっちゃんらしい口調です。こういうところが、ある意味「大阪人の品格」を下げているんでしょうかね……(ため息)。
 ともあれ、呼び止められた女性店員は、そのおっちゃんのところに引き返してきました。

「お客様、ご注文はお決まりですか?」

 女性店員は、私に対してと同じく、いたってごく普通の問いかけをしたのですが、ここからその女性店員に大きな「悲劇」が待ち受けていたのです。

 「注文は?」と聞かれた巨人帽のおっちゃんは、全くメニューを見ることもなく言いました。


「コーヒー1つ!」


 まあ、これもいたって普通の注文です。
 しかし、そのおっちゃんに対して、女性店員は次のように答えました。


「お客様、誠に申し訳ございませんが、当店はドリンクバーのみの営業となっております」


 これまたいたって普通の返答ですが、巨人帽のおっちゃんは、不思議そうな顔をして、目をパチクリさせているではありませんか。


「○△□☆バー?」


 何やら小声で呟いた巨人帽のおっちゃんは、数秒間沈黙した後、今度は大きな声で言い放ちました。


「そんなバー要らんから、コーヒー1つ!」


 このおっちゃん、どうやら「ドリンクバー」の意味が分かっていないようです。
 まさかそんな答えが返ってくるとは思ってもみなかった女性店員は、少し驚いたような表情を浮かべています。


「お客様、ドリンクバーと申しますのは、コーヒー、紅茶、ジュース類などをご自由にお飲み頂けるものでして……」


「紅茶? ジュース? そんなん要らん要らん! ワシはそんなもん飲まんから、取りあえずコーヒー1つ!」


 間違いなく、巨人帽のおっちゃんは
完全に「ドリンクバー」の意味が分かっていないようです。
 そもそも「ドリンクバーも知らないようなおっちゃんが、ファミレスに来るってどうなん?」って思いますが、今どきこんなおっちゃんもまだ居るんですね。


(おいおい、このおっちゃん、マジかよ……)


 私は心の中でそう呟きました。
 そんな「ツワモノのおっちゃん登場」に対して、女性店員はかなり戸惑っていたようでしたが、さらにもう一度丁寧にゆっくりとドリンクバーについての説明を始めました。


「えっと……、お客様。あのですね……、ドリンクバーと申しますのは、お好きなお飲み物を選べるシステムでして……、コーヒー、紅茶、ジュース……」


「だから、ワシは選ばんから、コーヒー1つやって!」


 
巨人帽のおっさん(←おっちゃんから変化させます)、全く聞く耳を持たぬといった態度で、女性店員の説明をちゃんとまともに聞こうとしません。


「えっと……、お客様ですね……。当店にはコーヒーというものがございませんでして、ドリンクバーという……」


「何? ここはコーヒーが無いってか? 今どき、そんなんでよう店やってるな!」


「いえ、コーヒーが無いのではなく、ドリンクバーが……」


「だから、その何とかバーは要らんって!!!」



 ブー、ブー、ブー(警報)

「パターン、青。使徒です!」(←エヴァンゲリオンをご存じない方はスルー願います^^;)


 私の心の中に大きな警報が鳴り響きました。
 アニメ『エヴァンゲリオン』で言うところの、まさに
「使徒襲来」です……。
 そして、巨人帽のおっさん、パチンコで言うところの、完全に
「暴走モード」に突入しました(^^;

 コーヒーが有るとか無いとかの問題ではなく、女性店員はシステムの問題を説明しようとしているにもかかわらず、このおっさん、そのことが全く理解できないようです。
 さすがにここまで来ると、その女性店員も自分では対処しきれないと思ったのでしょうか、「少々お待ち下さいませ……」と言った後、お店の奥に逃げ込みました。


(そりゃ〜、逃げるわな。こんな変なおっさん相手にしてたら……)


 私はその女性店員に同情しました。これからかき入れ時のお昼の忙しい時間帯に、まるで
「禅問答」のようなこんな会話を続けていたら、疲れるに決まっています……。
 しかし、女性店員がその場から逃亡したことにより、放ったらかしにされた使徒、いや巨人帽のおっさんは、明らかにイライラしている様子です。
 その数分後、そんな使徒の前に、エヴァンゲリオンならぬ、キリッと締めた、おそらくこのファミレスの店長でしょうか、スーツ姿の男性が女性店員と共に現れました。


「失礼いたします。お客様、コーヒーの件でございますが……」


 店長風の男性が巨人帽のおっさんに対して深々と頭を下げると、巨人帽のおっさんはすかさず、


「そこの姉ちゃん、さっきから要領えないんや! コーヒーが無いとか、訳の分からんこと言っとるし!」


 と、店長風の男性の後ろに立つ女性店員を指差しながら、おっさんは
半ばキレ気味で言い放ちました。


(どっちが訳の分からんこと言っとるんや……)


 私はそう思いましたが、世の中には想像もつかないほどの、常識のない人間がいるものですね。
 ところが、店長風の男性は、そんな訳の分からない主張をする巨人帽のおっさんに対し、全く怒ることもなく、
ニッコリと微笑んで言いました。


「お客さま、大変失礼いたしました。当店にはコーヒーはございます」


 「コーヒーはございます」と自信満々に言い放った店長風の男性からは、キラリと光る白い歯がこぼれていました。
 何と! 爽やかな眩しい笑顔ではありませんか。


(さすがは客商売!!!)


 私はその態度に感心しましたが、巨人帽のおっさんは「別の意味」で感心していたのです……。


「うんうん。そうやろ。なんや〜、兄ちゃんも人が悪いな〜。コーヒーはちゃんとあるんやないか〜。じゃあ、はよ持ってきてや」


 巨人帽のおっさんは、店長の丁寧な態度にではなく、コーヒーがお店にあることに感心していたのです(笑)。
 巨人帽のおっさんは、店長風の男性に負けないような、満面の笑みを浮かべてそう答えているではありませんか。


(何やねん! この会話!)


 私は心の中で突っ込みました。
 途中からこの会話を聞いた人が居たとしたら、まるで意味が分からないと思います(笑)。
 何度も言いますが、コーヒーが有る・無いの問題じゃないんですけどね〜(^^;
 しかし、このような訳の分からない会話はまだまだ続きました。


「はい。そうでございます。お客さま、コーヒーはございます!」


 店長風の男性はさらにそう強く言った後、


「それで、お客様ですね、当店にはコーヒーはあるのですが、ドリンクバーと申しまして、お客様ご自身でコーヒーなどのお飲み物を入れて頂く……」


 と、いよいよドリンクバーのシステムの本質に入ろうとしたその瞬間、巨人帽のおっさんの顔色が豹変したのです!


「だから、その何たらバーっていうのは要らんって、さっきから言うとるやないか〜!」


 巨人帽のおっさんは血相を変えて怒り出すではありませんか!


 セカンドインパクト勃発です!(←エヴァンゲリオンをご存じない方はスルー願います^^;)


 そのおっさんの叫び声に、周りの席に座っていた人たちの視線が、一斉に集中しました。
 しかし、このおっさん、本当に生まれて初めて「ドリンクバー」という言葉を聞いたのでしょうか?
 信じられない話ですが、それはさて置き、人の言うことを最後まで聞かない人間は、ほんと困ったものですね……(呆)。


「お客さま、違うのです。あのですね……、ドリンクバーでコーヒーを……」


「もうエエ! 気分悪いわ、この店! 何たらバーばっかり言いやがって、はよコーヒー持ってきたらエエだけやのに!」


 巨人帽のおっさん、もしかすると
前世でドリンクバーの機械に頭をぶつけて死んだ人間なのかもしれません(笑)。
 「ドリンクバー」という言葉に過剰反応し、全くラチが開かないのです。
 店長風の男性は、職業柄か顔は笑っていましたが、明らかにその目は笑っていなかったことを私は見逃しませんでした(怖い〜>_<)。


「お前なあ、さっきからなんぼほど訳の分からんこと言ってるねん! ドリンクバーでコーヒーついで勝手にいくらでも飲めや!」


 と、口に出したいのを店長はグッと我慢してるような感じです。


(う〜ん……、この店長さん、どうするつもりなんやろ……?)


 店長風の男性は、開き直ってキレるのか、それともキレないのか……。私は固唾を飲んで店長風の男性を挙動に注目しました。
 すると何と!
 店長風の男性は、そのまま黙ってその場を去ったのです。


「アンビリカルケーブル断線! 店長、活動限界です!」(←エヴァンゲリオンをご存じない方はスルー願います^^;)


(わちゃ〜、試合放棄か!?)


 確かに、店長風の男性がその場から逃げたくなるのも無理はありません。「ドリンクバー」という言葉を聞くと、巨人帽のおっさんが訳の分からないことをわめき出すのですから、にっちもさっちもいきません。
 私は店長風の男性が、巨人帽のおっさんの説得を諦めたのかと思ったのですが、実はそうではありませんでした。
 何と!店長風の男性は、自らドリンクバーに行き、そこでコーヒーカップにコーヒーを注ぎ、おっさんの所に持ってきたのです!


(なるほど! そういう解決方法があったか!)


 しかし、私が感心したのも束の間、ドリンクバーを巡る攻防戦は、まだ終戦を迎えようとはしませんでした。
 店長風の男性が巨人帽のおっさんの前に一杯のコーヒーを差し出すと、あろうことか巨人帽のおっさんは、


「ちゃう、ちゃう!(違う!違う!) ホットやない! 冷(れい)コーや!」


 と、言うではありませんか!!!


冷(れい)コー? はあ〜???)


 「冷コー」とは、関西地方で言うところの
「アイスコーヒー」のことです。
 3月という寒い季節にもかかわらず、巨人帽のおっさんが求めていたのは、何と
ホットコーヒーではなく、アイスコーヒーだったのです!!!
 店長風の男性がわざわざ運んで来てくれた、暖かい気持ちのこもった(←こもったとしておきましょう・笑)、愛情たっぷりのホットコーヒーをこともあろうかおっさんは受け取りを拒否したのです!!!


(このおっさん、何ちゅうバチ当たりなオヤジや……)


 私は巨人帽のおっさんの傍若無人な振る舞いに呆れと共に怒りがこみ上げてきました。アイスコーヒーを飲みたければ、最初からアイスコーヒーって言えばいいじゃないですか! それをここまでもめた挙句に、ホットじゃなくてアイスコーヒーを要求するとは!
 普通の人なら怒りますよね。しかし、店長風の男性は作り笑顔か、「ハハハ」と笑いながら、再びドリンクバーへと戻ると、アイスコーヒーを入れ直しておっさんのところに運んできたのです。
 しかし、店長風の男性の目は完全に笑っていませんでした。(怖い〜>_<2)


「ちゃんとあるんやないか。何でこんな簡単なもん、持ってこられへんねん……」


 巨人帽のおっさんはぶつくさ言いながら、店長風の男性が運んできたアイスコーヒーをすすり始めました。

 しかしまあ〜、この「走れ! 吉之助」では、私がこれまでに出会った色んな変わった人々を紹介してきましたが、この巨人帽のおっさんはその中でも
「ラスボス級(ゲームの最後に出てくる大ボスのこと)」であることは間違いありません。

 そして……、巨人帽のおっさんは店長風の男性が運んできた毒入りの……、違った(笑)、愛情がたっぷりこもったアイスコーヒーを飲み終えると、伝票を持ってそそくさと席を立ち、すぐ側にあるレジへと向かいました。
 私の席はレジに近かったので、レジでの会話が聞こえてきます。

(おっさん)「勘定して」

(店員)「はい。ドリンクバーがお一つでございますね。399円でございます」

(おっさん)「はあ? 何とかバーとちゃうで。コーヒーやで」

(店員)「はあ……」


 もうエエワ!!!(大呆)

平成19年6月9日(土)<晴れ> 「ガソリンスタンドでの大失態 〜松浦亜弥の曲にのせて」
 今日は仕事も休みの土曜日〜♪
 折角の休日なのに部屋にいるのはもったいないと思い、車で鹿児島へ行こうと思い立ちました(^-^)
 こういう時、鹿児島に近い場所に住んでいるのは便利ですよね〜(^o^)
 と、いう訳で、朝から鹿児島に行く準備を整え、
「レッツラー、ゴー♪」
 と、ばかりに愛車のPOLOに乗り込みました。
 ただ、ガソリンメーターを見ると、残量が少ないではありませんか!
 このガソリンの残量では鹿児島までの往復は無理だな……と思い、出発前にガソリンスタンドに寄ることにしました。
 しかし、最近ガソリンって、めっちゃ高くないですか?
 僕の愛車は、実はハイオク仕様で燃費の悪い小さな外車なので、ほんと最近のガソリンの値段の高騰には正直懐が痛いです(>_<)
 でも、ガソリンを入れないことには鹿児島まで行けませんから、とにもかくにもガソリンスタンドへと車を走らせました。

 いつもの近所のガソリンスタンドに行き、私が何気なく車を止めて、運転時にかけていたメガネを外すと(最近めっきり視力が下がり、運転の時だけメガネをかけています)、応対に出てきた人が女性の店員でした。ガソリンスタンドで女性が働いているのは、今では特に珍しくもないことですが、その女性は明らかに普通の人とは違ったのです!
 それは、いわゆる巷で私が最も弱いとされる「美人」だったのです!(笑)


(あれ? このスタンドにこんな綺麗な人がいたっけ?)


 てっきりいつものむさ苦しい、カンニング竹山みたいな小太りなお兄ちゃん(←失礼^^;)が出てくるとばかり思っていたのに、とっても爽やかで綺麗な店員が出てきたことに、ものすごく驚きました!
 私は驚きの余り、思わず外したメガネをもう一度かけ直す不審な行動を取ったのです(^^;


(うわっ! めっちゃ綺麗な人やなあ……)


 その女性店員は、年の頃なら20代後半くらいでしょうか。背は余り高くありませんが、髪は黒髪で南国特有の目はパッチリと大きく、笑顔からこぼれて見える小さな八重歯が印象的な女性でした。
 この「走れ!吉之助」を読んでおられる皆様なら、もう十分にお分かりだと思いますが、私は美人にものすご〜〜〜く弱いのです!

 思いもしない美人店員の登場に、私は誤って「ガソリン」を「ガチョリン」だなんて、いつも美人を前にすると「サ行」が「タ行」になってしまう私のクセが出ないか不安にかられましたが(以前の日記をご参照下さい〜^^)、「ハイオク」という言葉に「サ行」は無いことを確認した私は、車のドアを開け、

「ハイオク、満タンお願いします!」

 と言いました。
 するとその美人店員は、


「ハイオク、満タンですね〜♪ ありがとうございま〜す♪」


 と、元気良く答えました。
 もちろん、その女性店員の口から「♪」が出ていたわけではありませんが(←当たり前・笑)、そんな雰囲気を醸し出させるような、ハキハキとした声だったのです。
 また、その美人店員は満面の笑顔ではありませんか〜!!!


(キャー〜〜〜♪ カワイイ〜〜♪)


 私の胸の中に「♪」がたくさん生じ、私は「心ときめきモード」に入りました(*^_^*)
 この時の心のときめきを歌で表現するならば、松浦亜弥の『桃色片想い』って感じでしょうか(^o^)


「桃色の片想い〜♪ 恋してる〜♪ マジマジと見つめてる〜♪」
「チラチラって〜♪ 目が合えば〜♪ 胸がキュルルン♪」
「桃色のファンタジー〜♪」


※念のため言っておきますが、私は松浦亜弥オタクではありませんので悪しからず。


 ガソリンスタンドから出てきたその女性店員を私は「胸がキュルルン女性」(←今後そう略します・笑)と心の中で名づけました(笑)。


(いいなあ〜。汗を流しながら働く女性の姿って、何だか余計に綺麗に見えるよなあ〜)


 給油の準備を進めた後、車の窓ガラスを一生懸命に拭く「胸がキュルルン女性の素敵な働く姿に、私は思わず見とれてしまいました(*^_^*)
 また、その女性が運転席のドアの窓をコンコンと叩くので、私がドアを開けると、


「どうぞ室内用としてお使い下さい♪」


 と、室内の窓拭き用の雑巾を渡してくれる姿が可愛いの何のって〜〜♪
 思わず、その雑巾で顔を拭いちゃおっかな♪なんて衝動に駆られました。(←恐ろしくアブナイ行動です^^;)

 さて、そんなこんなでようやく給油が終わり、車の窓ガラスも全て拭き終わると、胸がキュルルン女性(以後「胸キュルさん」と略します)が運転席側にやって来て、

「6250円です♪

 と、私に言いました。

(いやあ〜、いつもの汗臭い、カンニング竹山兄ちゃんに6250円って言われるよりも、清々しくてお金の払い甲斐があるわ〜)

 なんて、私はちょっと胸を躍らせながら料金を支払いました。
 ここまで読んで頂ければ分かって頂けると思いますが、この時の私は、完全に、

「心ときめきモード」+「浮かれモード」=「バカモード」

 という図式に入り込んでしまっていたのです。
 そして、その「バカモード」突入が、その後の私を「大失態」へと導いて行くことになろうとは、その時の私は想像だにしませんでした……。

 料金を受け取った胸キュルさんが、レジで清算を済ませてレシートを持って帰って来ると、笑顔で私にこう言いました。


「あのお〜、これからどちらの方に行かれるんですか?」


(えっ???)
(これからどちらの方に行かれる……?)

(えっ? これはもしかして、どこに行くか聞かれてるってことは、何か俺に興味があるってこと?)
(あれれ? ちょっと待ってくれよ〜、俺のことがタイプなんとちゃうん?)
(あわわ! ひょっとすると、これはもしかして素敵な出会い?)

 この時の私の状態を、またまた松浦亜弥の歌で表現するならば、『Yeah!めっちゃホリディ』って、感じでしょうか!


「Yeah〜! めっちゃホリディ♪ ウキウキな夏希望〜♪」
「Yeah〜! ズバッとサーマタイム♪ ノリノリで恋したい♪」


※再度念のため言っておきますが、私は松浦亜弥オタクではありませんので悪しからず。


 実は、この時の私は完全に小学校二年生くらいまで思考力と想像力が低下していました。
 そして、あろうことか私は、胸キュルさんの問いかけに、次のように答えてしまったのです(>_<)


「えっ……、どこに行くかですか?」
「いやあ〜、まだどこに行くか決めてないんですよね〜」
「どこか行きたい所でもありますか? 何ならどこかお連れしますよ〜♪」


 そう答えた2秒後でした!
 胸キュルさんが目をパチクリさせている姿を見て、私は自分がとんでもない勘違いをしていることに気が付いたのです!


(しまった〜〜!!!)
(違う〜〜!!! 俺の勘違いや〜〜!!!)
(「どちらの方に行かれる?」って聞いてるのは、俺の行き先に興味を持ったというわけではなくて、このガソリンスタンドを出て、道路を右に出るか、左に出るかだけを聞いてるんやあないか〜〜!!!!)


 後からよく考えれば、胸キュルさんの問いかけは、ガソリンスタンドでは普通よく使われる何気ないセリフだったのですが、既に「バカモード」に突入していた私は、その胸キュルさんの可愛さに見とれてしまった結果、この普通のありふれたセリフを完全に深読みしてしまっていたのです!

 しかし、これに気付いた時は、時既に遅しでした……。
 胸キュルさんは、私の訳の分からない返事に明らかに戸惑った表情を見せているではありませんか!!!
 ギャグだと思って少しでも笑ってくれれば誤魔化しようもあったのですが、胸キュルさんは私のセリフをまともに受けて戸惑っていたのです〜。(これが大阪だったら受け流されたのでしょうが^^;)


(ガーン!!! やってしもた〜〜〜T_T)


 私は恥ずかしいやら情けないやら、この歳になってこんな大失態を犯すとは!!!(>_<)
 もう〜、その場から居ても立っても居られなくなって、


「す……いま……せん、左……です」


 と、若干ビブラートのかかったような震える声で言うと、すぐにガソリンスタンドを出て左に曲がり、アクセルを強く踏み込んで猛ダッシュで逃げました!
 この時の私の頭の中をまたまた松浦亜弥の曲で表現するならば、『LOVE涙色』でしょうか。


「LOVE〜、涙色〜。泣いても、泣いても止まらない」
「LOVE〜、あの夜で、全て終わったのよ」
「メール、いや、車は返せな〜〜い(号泣)」


※最後にもう一度だけ言っておきますが、私は松浦亜弥オタクではありませんので悪しからず。
平成18年10月28日(土)<晴れ> 「変装の名人? in スーパーマーケット」
 突然ですが、私は新聞の折り込みチラシを見るのが結構好きです。(←いきなり何の話題? と思われるかもしれませんが・笑)
チラシを見ていると、何だか楽しくなってきません?
スーパーマーケットの特売チラシ、電器屋さんの売り出しチラシ、車のディーラーのチラシなどなど、新聞に挟まれて配達されてくるチラシを見るのが、私は結構好きだったりします。
特に、スーパーマーケットの売り出しチラシを見ていると面白いですし、楽しいですよね〜(^0^)
一人暮らしで自炊しているからなんでしょうか、今まで全く気にも留めていなかった肉や野菜の値段に、ついつい敏感になっている自分がいます(笑)。


「おおおお!!! 今日は豚コマが100グラム78円かあ〜!!!」
(※豚コマとは、豚肉の小間切れのことです^^)



なんて、スーパーのチラシを見て、一人テンションが上がっている人は、結構この世の中に多数居るはずです(笑)。

と、言うわけで、私は新聞に折り込まれてくるスーパーのチラシを見て、買い物に行くスーパーを決めたりしています。(←主婦ならぬ主男です・笑)
特に、私の場合は肉好きなものですから、肉の値段には結構うるさいのですが、実はもう一つ値段に敏感になる食品があります。
この「走れ!吉之助」を今までご覧になられている皆様には分かって頂けると思うのですが、私は……、


ジュースの値段にものすご〜く敏感なのです!!!!!


私の場合、甘いものが好きなためか、あま〜いジュースも大好きでして、特にジュースの中でもコーラやサイダーなどの炭酸ジュースが大好きなんですよね(^0^)
普通の大人であれば、「お風呂上りにビールがウマイ!」という感じなのでしょうが、私の場合は、


「お風呂上りには、断然コーラがウマイ♪」派です(笑)。


また「焼肉にはビール!」と言われますが、私は「焼肉とコーラ」の方が好きです!(←エッ〜??? と言われそうですが^^;)
ちなみに私は女優の矢田亜希子さんが好きだったりしますが、実は彼女もコーラが大好きなんだそうです!!!(テンション上がってすいません^^;)

えっ? ジュースが好きなんて、舌がおこちゃま? 
確かにそうかもしれませんが(笑)、私の自宅には1.5リットルのペットボトルの炭酸ジュースが、常時2〜3本ストックしてあります。(←こんな大人、聞いたことがないかも^^;)
一人暮らしをして間もない頃の話ですが、資源ゴミを出そうとペットボトルを捨ててあるゴミ袋を取り出してみたら、ほんと一人で飲んだとは思えないくらいの数の1.5リットルのジュースのペットボトルが山ほど出てきて、自分で「こりゃ飲み過ぎや……」と興ざめしたことさえあります(^^;

えっ? 炭酸は体に悪い? 炭酸を飲みすぎると骨が溶ける?(←某炭酸ジュースは、よくこんな風に言われますよね^^;)
もちろん、甘いジュースばかり飲むのは健康に良くないとは分かっているのですが、どうにも炭酸は止められないんですよね。
実は今まで何度か「炭酸断ち」や「ジュース断ち」にチャレンジし(大の大人がチャレンジする行為ではありませんけど^^;)、少しの間は続くのですが、結局は究極に喉が渇いてきた時に、


「う〜ん……、炭酸断ちしてるから、炭酸ジュースは飲めんな〜。じゃあ、ポカリ(←ポカリスウェットのこと)とかアクエリアスとか、スポーツドリンクでも飲もうかな?」
「うん? 待てよ、あれもジュースの一種やからアカンよなあ……」
「じゃあ、牛乳でも飲むか! 健康的やもんな〜(^^)」
「いや、待てよ……。牛乳を飲むことをオッケーにしたら、乳飲料はどうするねん? ヨーグルトドリンクはオッケーなんか? コーヒー牛乳は? 俺たち飲むならピクニック!(←フルーツ牛乳です・笑)はどうなるねん?」
「う〜ん……」
「あ〜、何だか考えてるだけで頭痛なってきた…。取りあえず我慢するのんやめよ。体に悪いわ」



といった感じに葛藤が続いた挙句、いつも最後には炭酸ジュースを飲んでしまう私がいるのです。(←意志薄弱な男……^^;)
えっ? そんなに悩むんやったら、お茶とかミネラルウォーターでも飲んだら、って?
う〜ん……、それは友達みんなに言われます(笑)。

またまた話がそれましたが、このように私はジュース好き、特に炭酸ジュースが大好きなのですが、いつも自宅のストック用にとジュースのペットボトルをスーパーの特売などの安い日に買い溜めしています。(←どんな大人や!)
もちろん、500mlのペットボトルなんて買いませんよ〜! 1.5リットルの方が経済的ですしね〜(^^)
と、言うわけで、いつも職場に届く新聞に折り込まれてあるスーパーのチラシを見て、ジュースの値段を確認し、私は買い物に出かけたりしているのですが、金曜日に入っていた近所の某スーパーのチラシを見ると、明日土曜日限定の品として、


「ファンタグレープ・1.5リットル、88円。ただし、お客様1本限り」


という内容が、私の目に飛び込んできたのです!


「や、や、安い〜!!!!!!!!!!」


私は年甲斐も無く、職場のオフィスの中でガッツポーズを取りながら、小声で叫んでしまいました(笑)。
皆さん、あのファンタグレープの1.5リットルがですよ〜、88円だなんて! めちゃめちゃ安いじゃないですか〜!!!!
えっ? 安いかどうかいまいちピンと来ない?
あのですね……(-。-;)、普通スーパーで売っているファンタグレープは、だいたい178円から198円の間なんですよ!
ちなみに同じものをコンビニで買ったとしたら、248円くらいはします(-0-;)
また、たま〜にスーパーで特売になっていても158円か168円。
超特売日でも、だいたい128円くらいなのです。
分かりました? この88円の値段の安さ? これは「ファンタグレープ界のIT革命」なのです!!!(←何のこっちゃ!笑)

あっ、何だかジュースごときで熱くなってしまいましたが(汗)、とにかくファンタグレープの1.5リットルが88円というのは激安なのです!
実は、私はたくさんある炭酸ジュースの中で一番好きなのがファンタグレープだったりします(*^^*)
美味しいと思いませんか? ファンタグレープ?
私はマクドナルドに行っても、必ずドリンクはファンタグレープにしますよ〜。
と、言うくらいに私はファンタグレープが大好きなのです(^o^)

金曜日のスーパーのチラシで、明日ファンタグレープが88円と知った私は、それ以後職場でも仕事が手に付かず(笑)、眠れぬ夜を過ごしながら(←大げさ・笑)、来たるべく土曜日に備えました。
そして、迎えた翌日の土曜日。
私はスーパーの開店時間・午前10時になると、すぐさま着替え、愛車に乗って近所の某スーパーへと向かうことにしました。(宮崎は車が無いと生活出来ないので、ほとんどの人が買い物に行く時はだいたい車を使うのです)
まだ開店して間もない時間ですから、ファンタグレープが売り切れになっているはずもないと安心していましたが、もしかすると宮崎のファンタグレープファンがそのスーパーに大勢押しかけて、「お一人様一本限り」でも既に売り切れているかもしれません。(←そんなわけないか・笑)
私の頭の中には、


「どうか売り切れていませんように……」


と、願う気持ちで一杯でした。(←ジュースごときで大げさ?笑)
そして、5分後、私は目的のスーパーマーケットに到着。
店内に入った私は、一目散にジュース売り場目指して走り始めました!


「ファンタ♪ ファンタ♪ ファンタの棚はどこじゃろかい♪」


即興で作詞・作曲した奇妙な歌を口ずさみながら(笑)、私はファンタグレープの特売コーナーを探しました。
そして、飲料水売り場付近にファンタグレープの特売コーナーを発見!
まだ開店間際ですから、当然まだまだ在庫はうず高く積み上げられているではありませんか!


「そっか……。この地域はファンタグレープよりファンタオレンジ派の人が多いんやなあ……」


私は訳の分からない妄想をしながら、ファンタグレープを1本取って、買い物カゴの中に入れました。
そうなのです、先程から書いていますが、このファンタグレープは激安過ぎるため、1人1本しか買えないのです。
まだまだこんなにたくさん在庫があるにもかかわらず、1人1本しか購入できないのです!
私がこんなにファンタグレープが好きで、今までどれほどのお金をファンタ購入に遣ってきたことか……。
もし、ファンタグレープ購入にマイルが付いてきてたら、今頃1ダース以上は無料でプレゼントされるくらいのお金を投入してきたにもかかわらず、こんな私でも1人1本しか購入できないのです!!!(←それは関係ないやろ!笑)


「残念やなあ……」


まだまだうず高く積まれたファンタグレープの山を目の前にして、思わず私は無念さをあらわにしましたが、その時です! 私の心の中の悪魔がささやいたのです。


「一回レジで清算を済ませた後、一度外に出て、また店内に戻ってきて、もう一本別のレジに持って行って買えばええやん」


あっ!!!!!!!
私はその心の中の悪魔のささやきに一瞬にして心が奪われそうになりました。
そして、私は気が付いたのです!


「こ……、この作戦は……、うちの親が子供の頃の俺にさせていた『ブーメラン作戦』やないか……


そうです、私の心の中の悪魔がささやいた作戦は、私が子供の頃によく両親に実行させられていた『ブーメラン作戦』そのものだったのです!

私の実家は自営業で飲食店を経営していたため、私が子供の頃、近所のスーパーで特売の品がある時には、よくおつかいに行かされていました。
よくテレビで「初めてのおつかい」みたいな、小さな子供が初めておつかいに出かける様子を隠し撮りにした感動的な番組が放映されていますよね。
私には、この番組の一体何が感動的なのかイマイチよく分からないんですよね〜。
私なんか、物心がつく前から、買い物カゴを下げさせられて近所のスーパーや市場におつかいばかり行っていたものですから。

テレビの「初めてのおつかい」では、おつかいに行く途中に色んなハプニング(例えば、お金を落としてしまう等)が起こりながらも、そんなトラブルを乗り越えて、最終的におつかいを終えた子供を前に、父親や母親が泣きながら、

「よくやったね。お利口さんだね」

なんて、子供を抱き上げて涙する感動的なシーンが放映されていますが、私の場合なんかはそんな感動は全くなく、悲惨そのものですよ。
昔おつかいのお釣りをどこかで落としてしまい、散々探した挙句、結局見つからずに仕方なく家に帰ったところ、「いいよ、いいよ。よくやったね。お利口さんだね」なんて言われるわけもなく、父親に思いっきりゲンコツで殴られた後、


「お金探してくるまで、家には入れんぞ〜!!!!」


と、家から叩き出されたことがあります(-0-;)
一体この違いって何なんでしょうね?
あっ、思い出した!
一度父親から100グラム100円の豚肉を買いに行かされた時の話です。
間違って、グラム120円の豚肉を買って帰ったら、父親に、


「お前、何考えてるねん! 肉屋に行って、返して来い!」


という、無茶苦茶なことを言われた記憶があります(-0-;)
このくらいのミスは許してもらいたいものです(苦笑)。
あ〜、思えば、私の少年時代はスパルタでございました……(涙)。

こういった幼少時の経験から、私はテレビの「初めてのおつかい」には何ら感動すら覚えないのです。
って、言うか、今の子供達はちょっと甘えすぎてません? 私から言わせれば、子供が親のおつかいに行くなんて当たり前のことですよ!!!
キュウリとズッキーニを間違えて買って帰り、家で死ぬほど怒られた子供の気持ちは誰にも分からないでしょ〜!!!!(また、新たな記憶が蘇りました・笑)

と、何だか年甲斐も無く熱くなってしまいましたが(汗)、話を戻しますと、私が親からおつかいに行かされる時、もしも特売の品に今回のファンタグレープのように、「お一人様一つ限り」という条件がついている場合は、


「ええか、一回レジを通って外に出てから、また店内に戻って、もう一つ買ってくるんやで!」


という「ミッション(指示)」が両親から必ず出されていたのです(^^;

レジで清算を済ませた後、何食わぬ顔でもう一度店内に戻り、同じものを買い直す、つまり買った者がまた戻ってくる、題して『ブーメラン作戦』です(笑)。
全国にもこの『ブーメラン作戦』を実行している主婦は意外と居るのではないでしょうか?(笑)
ただ、子供に対してこの作戦を取らせる親も親だと思うんですけどね〜(^^;
しかも、私の場合、砂糖が特売の時は、この『ブーメラン作戦』を三回繰り返せという地獄の特命が付きます(>_<)
実は実家が経営していた飲食店は、材料として砂糖をかなり使うお店だったんですよね。(ちなみにケーキ屋さんではありません)
そのため、砂糖が特価の時は、『ブーメラン作戦×3』という、とんでもない指令が下るわけです。
子供というのは、ただでさえおつかいや買い物に行くのが恥ずかしい年頃なのに、砂糖だけ一袋買う行為をブーメランのように三回も繰り返せ! というのは、今から考えたら鬼指令としか思えません(苦笑)。

しかし、実はこの『ブーメラン作戦』よりも、まだもっと恥ずかしく、そして身震いがするほどの恐怖の作戦があるのです。
その作戦は題して……、


『子供だから、知らなかったでいけるであろうチャレンジ大作戦』(←長い^^;)


この作戦はある意味『ブーメラン作戦』よりも恐ろしい、いや恐ろしいの最上級形、世にも「おとろしい」作戦なのです。(←勝手に造語しました^^;)

『子供だから、知らなかったでいけるであろうチャレンジ大作戦』は、次のような内容の作戦です。
「お一人様一つまで」という限定が付いている商品を買う際に、その条件を敢えて無視し、まるで知らなかったフリをして、白々しくレジに二つ持って行きます。
当然、レジのおばちゃんはそのことに気付きますよね。
でも、可愛い小さな子供がおつかいに来ているのですから、そんなにうるさく言わないでしょ? 子供がわざわざおつかいで買いに来てるんですからね。


「僕ね、これはね、ほんとは一つまでなんだけど、今日はおつかいみたいだから、大目に見とくからね。お父さん、お母さんにちゃんと言っておくんだよ」


と、いった感じで、レジをスルー出来る可能性があるわけです。(←可能性がある、というのがミソです^^;)
つまり、『子供だから、知らなかったでいけるであろうチャレンジ大作戦』とは、子供という可愛さを全面的に押し出し、子供がおつかいに来ているという親孝行な行為を見せ付けることによって、レジのおばちゃんの精神的な弱さを突き、おばちゃんの慈悲の心に訴えかけて、「お一人様一つまで」という条件を突破しようとする、世にも恐ろしい最終作戦なのです!!!

当然、先程書きましたが、砂糖が超特売になった際には、『ブーメラン作戦』ではなく、この『子供だから、知らなかったでいけるであろうチャレンジ大作戦』の指令が親から下されます……。
皆さん、よく考えてみて下さい……。
この恐ろしい作戦を言いつけられた子供の気持ちを(*_*)
それはもう〜、心臓に毛をモジャモジャと生やさないと、こんな作戦実行出来ませんよ!!!

と、言いながら、私はこの『子供だから、知らなかったでいけるであろうチャレンジ大作戦』(長いので、今後は『子供チャレンジ大作戦』と略します^^;)を何十回と決行した経験者です(^-^;)
しかも、たまに恐ろしいことに、この『子供チャレンジ大作戦』に加えて、『ブーメラン作戦』を併用して使え! という究極指令が発動されることもあるのです!!!
つまり、知らなかったフリをして、レジに二袋持って行く行為を二回も繰り返すということです……。(お、恐ろしい……)
ほんと今から考えても、この併用作戦は世にも恐ろしい最終兵器です……。
おそらくこんな作戦は、大阪ならではのことでしょうね(^^;(←大阪でもない?笑)

『子供チャレンジ大作戦』は、今から考えれば笑い話のような作戦ですが(笑)、現代のように何事にも杓子定規に小うるさい時代ではなかったので、結構この作戦が成功したのです。
しかし、逆にこの作戦が失敗した時ほど恥ずかしい時はありません。


「僕ね〜、これは一人一つまでしか買えないんだよ〜」


と、レジのおばちゃんに品物を返して来るように言われた折には、


(そんなん分かってるけど、これは『子供だから、知らなかったでいけるであろうチャレンジ大作戦』を実行してみただけで……)


と、言うことなんか当然出来ず(笑)、


「あっ、ごめんなさい! 僕、知らなかったので……」


と、それこそ子供の無邪気さを利用して逃げるしかない始末……。
あ〜、私は子供ながらに苦労してたなあ(笑)。
そう言えば、ある日、この『子供チャレンジ大作戦』が失敗したことを母親に告げると、


「レジの人、○○さんやったやろ? あの人は結構うるさいからなあ〜。今度は○○さんのレジを通ってみ。あの人は優しいから、きっと大丈夫やと思うから」


と、「失敗したら、ガードの甘いレジのおばちゃんを狙え!」という母親からの話を聞いて、「なるほどな〜。さすがはお母さんや^^」と感心していた私は、ものすご〜く親孝行な息子であったと今ではそう思います(笑)。
ちなみに『ブーメラン作戦』や『子供チャレンジ大作戦』が発動された時には、わざわざスーパーに行くためだけに、近所の友達を誘って一緒に買い物をしてもらったことは付け加えておきます(笑)。
そうすれば、『ブーメラン作戦』をわざわざ決行することもありませんからね(^^)

と、何だか話がそれましたが、私は「お一人様一本まで」と書かれたファンタグレープを見て、何十年かぶりに『ブーメラン作戦』を実行しようかと考えました。
もちろん、『子供チャレンジ大作戦』は使えるはずもありません(笑)。


(う〜ん……)


私も大の大人。ちゃんと定職も持っている社会人ですから、ファンタグレープがいくら88円と安いからといって、一回買って外に出て、また違うレジに並んでもう一本買うという行為をして良いのかどうか真剣に悩みました。


(う〜ん……、たかだかジュース一本のためにそこまですることはないよな……)


ファンタグレープ大好き男の私としては非常に無念だったのですが、仕方なく一本だけを買い物カゴに入れ、その場を立ち去ろうとした時、ある一人のおばちゃんが私と同じようにファンタグレープを一本だけ取り、それを買い物カゴに入れました。
そのおばちゃんは、年の頃なら50代半ばといった感じ。
茶色のブラウス薄い紫色のカーデガンを羽織り、下は黒色のスパッツのようなものを履く、ごくいたってどこにでも居る普通のおばちゃんでした。
その時、私がなぜそのおばちゃんの服装を鮮明な記憶として残していたのかと言いますと、そのおばちゃんはファンタグレープを一本取り、それを買い物カゴに入れるやいなや、まっしぐらに一目散でレジに向かって歩いていったからです。
おばちゃんの買い物カゴの中にはファンタグレープが一本のみ。
おばちゃんはすぐにレジで清算していたので、つまりそのおばちゃんはファンタグレープの特売が目的でこのスーパーにわざわざ買い物に来たということです。


(へぇ〜、あのおばちゃんもファンタグレープが好きなんかな? まさかなあ〜、今日は特売で安いから孫にでも買って帰るんやろうな)


私はそのおばちゃんが薄い紫色のカーデガンを羽織っていたことから、てっきり私と同じ「ファンタグレープ党員」(←そんな党はないですが・笑)だと思ったのですが、そんなことはあるわけないと思いました。
私自身はと言うと、ファンタグレープを一本買い物カゴに入れたとは言え、そのまま何も買わずに帰るのは何だったので、一通りの日用品の食品を買って帰ることにしました。
キャベツ、白菜、小ネギ、玉ねぎ、ピーマンといった野菜類に加え、もう一つの特売品であった鶏のモモ肉を一パック買い物カゴに入れました。


(これでよしっ。他に買うもんなかったかなあ? あっ、そうや! お昼ご飯用に惣菜でも買って帰ろう!)


私はお昼ご飯のことを考え、コロッケや鶏のから揚げなどの惣菜を最後に買って帰ろうとして、惣菜売り場に向かうことにしました。
そして、その手前にあるジュース売り場において、ある衝撃的なシーンを見ることになったのです!


(あれ? あのおばちゃん、確か……)


そうです、ジュース売り場に設置されている特売のファンタグレープが置いてあるコーナーに、見たことのある薄い紫色のカーデガンを羽織ったおばちゃんが立っているではありませんか!


(えっ? あれ……、あの人さっきファンタグレープだけ一本買って帰ったおばちゃんやないか?)


私はさっき目撃したおばちゃんの顔をはっきりとは覚えていなかったのですが、あの特徴あるファンタグレープ党員の象徴、いや違った(笑)、あの薄い紫色のカーデガンだけははっきりと覚えていたため、今目の前に居るおばちゃんと同一人物に見えたのです。


(えっ〜と……、下は黒色のスパッツに、上は茶色のブラウス。そして、薄い紫色のカーデガン……。やっぱり、あれは……。うん? ちょっと待てよ……)


私は先程ファンタグレープを買ってレジで清算を済ませたおばちゃんの服装の記憶を呼び起こしながら、今目の前のファンタグレープ売り場に立っているおばちゃんの服装と照合していたのですが、服装に一つだけ違いがあったのです。
目の前に立っているおばちゃんは、真っ赤なスカーフを首に巻いているではありませんか!


(ちょ、ちょっと待てよ……。さっきのおばちゃんは赤いスカーフなんか首に巻いてなかったよな?)


私は心の中で自問自答しました。
私が見たおばちゃんが赤いスカーフを巻いていなかったことは確かでした。
非常に目立つ真っ赤なスカーフを見落としているはずがありません。


(宇宙戦艦ヤマトじゃあるまいし、真っ赤なスカーフって!!!)<←意味の分からない方はスルーして下さい^^;>


私は訳の分からない突っ込みを入れて(大阪出身なので仕方なし・笑)、もう一度まじまじとそのおばちゃんの姿を凝視しました。


(別人かな? いや、他の服装が全く同じやもんな……。真っ赤なスカーフ以外は……)


私が色々と想像していた時、目の前にいた真っ赤なスカーフおばちゃんが、突然行動を開始しました!
何とそのおばちゃんは、ファンタグレープを一本取って、買い物カゴに入れたのです!!!


(ま、ま、まさか!!! こ、これは……、ブーメラン作戦 in 宮崎!!!!!)


私は真っ赤なスカーフおばちゃんがファンタグレープを買い物カゴに入れたのを見て、一気に真相を悟りました!
そうです! おそらく真っ赤なスカーフおばちゃんは、さっきファンタグレープを買っていたおばちゃんと同一人物に違いない!
そして、おばちゃんはファンタグレープを二本買うために、わざわざ店内に戻ってきたのだと!


(スッ、スッゲェ〜。宮崎でもやる人がいるんや!)


私は幼少の頃に実践していた『ブーメラン作戦』を決行している人が目の前にいることに対し、驚きと感動を覚えました。
そして、またハッと重要なあることに気が付いたのです!


(も、もしかして、あの真っ赤なスカーフは、前にファンタグレープを買った人と別人だと思わせる変装なんか???)


私は絶句しました。
そのおばちゃんが先程見たおばちゃんと同一人物だとすれば、そのおばちゃんはファンタグレープを二本買いたいがために、わざわざ外に出た後、真っ赤なスカーフで変装してきたということです!
いや、どう考えても変装にはなっていませんが(笑)、そのおばちゃんは首に真っ赤なスカーフを巻くことで、完全に別人になっているフリをしているのでしょう!


(古代進も沖田艦長もビックリやわ……)<←意味の分からない方はスルーして下さい^^;>


またも私は訳の分からない突っ込みを入れてしまったのですが、しかし、『ブーメラン作戦』を取るのはまだしも、それに変装(見た目はバレバレですが・笑)を加えるとは……。


(お主もなかなかワルよの……)


と、私は水戸黄門の1シーンのように、変な感心を持ってしまいました(笑)。

さて、その真っ赤なスカーフおばちゃんですが、ファンタグレープを買い物カゴに入れた後、そのままレジに向かって一直線に歩いていきました。
しかもです! さっき清算したレジと同じレジに向かっているではありませんか!!!


(おい、おい、おい! 変装してまで凝ったブーメラン作戦を取ってるのに、何で同じレジやねん! 他のほら、隣りの3番のレジにせんかいな!)


私は真っ赤なお鼻のトナカイさん、いや違った(笑)、真っ赤なスカーフおばちゃんの非常に拙い行動に思わずハラハラ・ドキドキしていましたが、真っ赤なスカーフおばちゃんは店員に何か言われることもなく、無事にレジを通過したのです。


(レジの人も気付かなかったんやろか? いや、それとも見て見ぬフリをしただけかもしれん……)


私はそんな想像を膨らませていましたが、実はもう一つ意外な発見をしました。
真っ赤なスカーフおばちゃんは、買い物カゴの中に、ファンタグレープの他に、豆腐を一丁入れて買っていたのです!


(プッ(笑)。あの豆腐もあのおばちゃんなりの作戦なんやろうか……)


私はそんなことを考えると、何だか可笑しくて堪らなくなってきました。
おばちゃんの行動は涙ぐましい努力なのかどうかはさて置き、ファンタグレープが好きな私にとっては、真っ赤なスカーフを首に巻いてファンタグレープを買う光景が、何とも面白い光景でならなかったからです(笑)。
私は「面白いおばちゃんやったなあ〜」と独り言を呟き、そして自分が買ったファンタグレープや食品などをレジに持って行こうとしたのですが、


(あっ! もしかすると、あのおばちゃん、もう一度ブーメラン作戦を決行するかもしれん!)


私は咄嗟にそう感じました。
そうです、幼い頃からブーメラン作戦を決行してきた経験者としては、何かピンと感ずるものがあったのです。
私はあのおばちゃんが戻ってくるのかどうかを待つために、ジュース売り場から少し離れたお菓子売り場を見ながら、おばちゃんのブーメランを待つことにしました。(←その日はかなり暇だったのです・笑)


(果たして来るのか……。あのおばちゃん。どうやろ?)


期待半分・不安半分、私は少しドキドキしながら、おばちゃんの再登場を待ちました。
そして、おばちゃんが2回目のレジで清算を終えた数分後、感動の時が訪れたのです!!!


(出たあ〜!!!!!!!!)


私の予想通り、野菜売り場の方向から、夢にまで見た(笑)、薄い紫色のカーデガンを羽織った人物がこちらに向かって歩いてくるではありませんか!


(やっぱり、来た!!!)


私はお菓子売り場に身を隠しながら、おばちゃんの服装を見ると、先程のあの特徴的な真っ赤なスカーフは首に巻かれていません。
「おやっ?」と私が身を乗り出した瞬間、私の目に恐ろしい光景が飛び込んできたのです。


(あ、あ、あ、あれって……。もしかして……、サン、サングラス???)


私はビックリしました!
おばちゃんは真っ赤なスカーフを外してはいましたが、その代りにでっかい黒のサングラスをはめているではありませんか!!!
私は思わずお菓子売り場で大声を上げて笑いそうになりましたが、懸命に堪えました。


(アカン、笑ろたらアカン……)


私は体をピクピクと震わせながら、お菓子売り場で懸命に笑いを堪えました。
そんなことなど露知らないおばちゃんは、野菜売り場からまっしぐらにファンタグレープ売り場にやって来ます。
笑いに耐えた私が、そのおばちゃんの買い物カゴの中をちらっと覗き見すると、買い物カゴの中に真っ白な大根が一本入っているではありませんか!
これもおばちゃんのカムフラージュなんだと考えると、またも笑いが込み上げてきましたが、何とか咳払いすることで私は笑いをごまかしました。

真っ赤なスカーフならぬ、サングラスおばちゃんは(笑)、またもやファンタグレープを一本取ると、買い物カゴに入れ、レジに向かいました。
それもまた1、2度目に清算した同じレジではありませんか!!!
おばちゃん専用となったレジの店員さんは、おそらくアルバイトらしき学生っぽいお兄ちゃんでしたが、彼がファンタグレープのバーコードを読み込む時、半笑いになっていたのを私は見逃しませんでした(笑)。
そうですよね〜、いくらなんでも服装は全く同じで、真っ赤なスカーフやでっかいサングラスをはめたおばちゃんが何度もレジに来れば(それも短時間の内に)、誰だって気付きますよね(笑)。


「今日は面白いものを見させてもらったわ」


私はそう独り言を呟くと、レジで清算を済まし、店外に出ました。
えっ? おばちゃんがもう一度戻ってきたのか?って?
それは皆さんのご想像にお任せします(笑)。
平成17年11月1日(水)<晴れ> 「コロッケクラブの謎」

宮崎に転勤になって早半年・・・。
大阪生まれの大阪育ち、大阪から一歩も出て暮らしたことのない私なので、当たり前のことですが、やっぱり違う地域に住むと、言葉から風俗から、何から何まで違いを感じますよね。

特に、言葉。

宮崎弁と大阪弁とでは、そのイントネーションがまったく違います。
でも、大阪出身で他の地方に暮らしている方々には分かって頂けると思うのですが、これがまた大阪出身者って、不思議とどの地方に住んでも大阪弁が抜けないような気がします(笑)。
この大阪弁の独特のイントネーションは、なかなか抜けるものではありませんよね〜。
私、現在宮崎に住んでいても、未だに完全無欠の大阪弁です!
しかも!大阪に住んでいた時より、更にコテコテの大阪弁になってるような気さえします(笑)。

さて、ここで私tsubuによる宮崎弁講座を一つ。

宮崎に来たら、まずこの言葉を覚えて下さい。


「いいちゃが!」


これは大阪弁で言うなら、「かまへん、かまへん!」(標準語で言う「構わないよ」)という意味の言葉で、まあ平たく言えば「いいよ、いいよ」という言葉です。
この「いいちゃが」、宮崎ではものすごくよく使います。
おそらくこの「いいちゃが」一つで、だいたい宮崎で生活出来ますよ。(←大ウソ)

と、そんなことはさて置きまして、私の住んでいる部屋には、電話があります。

「何、当たり前のこと言うてるねん!」

と突っ込まれる方もおられるかもしれませんが、案外一人暮らしで固定電話をつけている人は珍しいみたいですね。つまり、誰かに電話するにしても、携帯電話があれば十分なわけで、わざわざ電話に加入して基本料金を払うのはもったいないですから。
でも、私の場合はADSLでインターネットを繋いでいるので、やっぱり電話に加入しておく方が便利だと思いまして、宮崎に来てからも電話に加入していたのです。

と、言うわけで、インターネット用にと電話に加入したので、その電話を使うことはほぼなく(友達に電話する時は携帯を使いますので)、部屋の電話が鳴ることもほぼありません。
また、部屋の電話が鳴る時は、ほぼ100%の確率で実家からの電話なのです。

それがこの日の夜の7時過ぎ。
部屋の電話が「プルルルル」と鳴ったので、「あっ、実家からだな」と思って電話に出てみると、女性の声で、


「コロッケクラブさんですか?」


と言うのです。


「はあ???」


私はてっきり実家からの電話だと思っていたため、急に「コロッケクラブ」という意味が分からないセリフを聞いて、不意をつかれて一瞬たじろいだのですが、女性がもう一度、


「コロッケクラブさんですか?」


と聞き返すので、私は正気を取り戻し、

「あっ、いえ違います」

と答えました。
すると、「すいません、間違えました」と電話の女性が言うので、私は「どういたしまして」と答えて電話を切ったのです。ただ、


(どこと間違えたんやろ?コロッケクラブって何や?コロッケ屋さん???)


と、私自身疑問が色々と浮かんできたのですが、その後はそんなことも気に留めずに、また、部屋のテレビを見始めたのですが、その約3分後、また電話が「プルルルル」と鳴るのです。
私は何だか嫌な予感がしたのですが、受話器を取って、「もしもし」と返事すると、またもやさっきの女性の声で、


「ゲオの隣りのコロッケクラブさんじゃないですか?」


と聞くではありませんか!


(はあ?????)


さっきの間違え電話とセリフが違えど、内容はまったく同じの間違い電話です。
そのため、私は、


(おいおい、ゲオの隣りか、元中日のタオ(田尾)の隣りか知らんけど、違うって言ってるやんかいさ)


と心の中で呟きましたが、もう一度、

「違いますよ〜。間違いじゃないですか?」

と返答しました。
すると、女性が「あっ、ごめんなさい、間違えました」と言って、「ガチャ」と電話が切れました。


(一体、何なんや??コロッケクラブって?やっぱりコロッケ屋さんのことなのかな?)


ゲオというのは、いわゆるTSUTAYAみたいなものでレンタルビデオショップなのは分かったのですが、その隣りの「コロッケクラブ」なるものが分かりません。
名前から素直に考えると「コロッケ屋さん」ですが、私は「深読みtsubuちゃん」という異名を取る男なので(笑)、もしかして怪しい風俗店?、なんていうことも想像しました(笑)。
また、まだ夕食が済んでいなかった私は、妙にコロッケが食べたくなる衝動にかられたのですが、大阪から宮崎に来た私には「コロッケクラブ」が一体何のお店なのかがさっぱり分かりません。
ただ、もし三度目の間違え電話がかかってきたとしたら、


「揚げたてには、少々お時間を頂きます」


な〜んて、答えたろかな(笑)、と思ったのですが、その後、電話が再度鳴ることはなく、私の考えたイタズラも当然ながら実行出来ませんでした。
しかし、その1時間後、私がお風呂から上がって部屋に戻ると、また電話が「プルルルル、プルルル」と鳴っているのです。


「ありゃ?もしかして、もしかすると・・・」


私はそう呟いて、「もしもし」と電話に出ると、今度は男性の声で、


「コロッケクラブさんですか?」
「すいません、9時から予約していた○○(←名前)なんですけど、30分遅れ・・・」



と一方的に話された後に、「プッー、プッー」と電話が切れたのです。


「はあ?????」


私はものすご〜く戸惑いました。
まず、さっきの間違い電話と内容は同じですよね。「コロッケクラブ」への電話ですから。
しかし、さっきの女性とは違って、今度は声の主が男性でした。また、その男性は一方的に話して、話の途中ですぐに電話が切れたのです。
謎が謎を呼ぶような連続に、テレビアニメのサザエさんばりに、私の頭の上には「?」マークが4つくらい付いていたことでしょう。
また、その電話が切れた後、もう電話がかかってこないのです。

私はすご〜く悩みました。
まず、間違え電話の声の主が、女性から男性に変わったこと。
「何でやろ??」と色々と考えたのですが、答えは3つでました。


1つは、その男性は女性と同じグループということ。(家族?恋人?兄弟?友達?同僚?親戚?行きずりの恋?←もうエエわ・笑)
2つは、その二人はまったく別人で、「コロッケクラブ」なるお店の電話番号が私の部屋の電話番号と似通っている。
3つは、女性と男性の共謀によるイタズラ電話で、宮崎人から大阪人の私はからかわれている。



以上、3つの答えが出ましたが(笑)、どれが真相なのかを判断することが出来ません。
また、「コロッケクラブ」なるものが、もし私の予想通り「コロッケ屋さん」であったとしたなら、9時にコロッケを取りに行くと言って予約してたのに、30分遅れるという連絡を入れようとしていたことになりますよね。
そして、さっきの電話でその遅れるという要件が「コロッケクラブ」に伝わったと、電話の声の主の男性が勘違いしていたとすれば、その男性は既に冷めたコロッケを「コロッケクラブ」に取りに行くことになります。
私はものすごく勝手な思い込みで、


「かわいそうに・・・、折角のコロッケが冷めてまうわ・・・」


なんて思ってしまいました。(←バカです)

そんなこんなで、私が訳の分からない想像をし続けている時、また、電話が「プルルルル」と鳴ったのです!
私は、


「はい、コロッケクラブです!」


と、元気よく言いたい衝動にかられましたが、何とかそれを抑え(笑)、「もしもし」と普通に電話に出ると、何と!今度は最初の女性の声で、


「コロッケクラブさんですか?」
「あの〜、9時から予約していた○○ですが、30分遅れてもいいですか?」



と言うではありませんか!


(あっ!やっぱりさっきの男性と最初の女性は、同じグループやったんや!!)


さっきの男性が語った名前と女性が語る名前がまったく同じだったので、最初の謎が解けたのです!
そして、私は最後で最大の謎である「コロッケクラブ」が何のお店なのかを知るために、


「すいません、もうコロッケ揚げちゃってるんですぅ〜」


と、大きな賭けに出ようかと考えたのですが(←大バカ)、もし「コロッケクラブ」が「コロッケ屋」さんで無かったとしたら、


「はあ???」


と言われる可能性があるので、ここはイタズラ心を抑えて、


「あの〜、何度か言ったんですが、間違い電話じゃないですか?」


と、私はその女性に言いました。
すると、その女性は、


「あっ、ほんとうにごめんなさい!」


と謝ってきたので、私はすかさず、「あの〜、コロッケクラブって何のお店なんですか?」と聞こうとして、


「あの〜、コロッケクラ・・・」


と言ったところで、無常にも受話器から「ツー、ツー」という、電話が切れた音がしたのです!



「これだけ俺を惑わしておいて、これがお前の終わり方か〜!!!」



なんて、「付き合って下さい」と言われて付き合ったのに、最終的にはその女性に浮気されてしまった男性が吐くような「捨てセリフ」(←長い^^;)を私は一人しかいない部屋の中で絶叫してしまいました!
そして、無常にもそれから以後、私の部屋の電話は一度も鳴ることがなかったのです・・・。


この夜、私を惑わした「コロッケクラブの謎」は結局解けなかったのですが、その後、ひょんなことでその謎は解消されたのです!

ある日の夜、私が部屋の近所を車で何気なく走っていると、普段は気にしていなかったのですが、夜になってネオンが付き、煌々と光るある看板が私の目の中に飛び込んできました。
そして、そのネオン看板には、何と!


「コロッケ倶楽部」


と書かれているではありませんか!!!
私はその看板を見て、「コロッケ倶楽部」の正体が何のお店なのか判明したのです!

女性と男性が入れ替わって間違い電話をかけてきた「コロッケ倶楽部」とは、「コロッケ屋さん」でも何でもなく、何と「カラオケボックス」だったのです!
つまり、男女二人のペアは、9時からカラオケボックスを予約していたのですが、それを9時半からにして欲しいという電話をかけてきていたというわけです。


「揚げたてでも何でも無かったわ・・・」


私はコロッケのつもりで「すいません、もう揚げちゃってるんですぅ〜」なんて言わないで良かったとホッとすると同時に、その罪滅ぼしとして、帰りにスーパーでコロッケを買って帰ったのでした。
また、それ以来、「コロッケ倶楽部間違い電話」はかかってきたことがありません。
平成17年10月8日(土)<雨> 「解けない豆腐方程式」

ものすご〜く久しぶりの「走れ!吉之助」の更新です(^^;
約1年ぶりになりますが、その間まったく面白い出来事が無かったというわけではなく、ただ単にそれを文章に書かなかったというだけだったりします。
と言う訳で、久しぶりに面白いと言いますか、変わった出来事がありましたので、久しぶりに更新しますね(^^)

さて、この10月8日(土)は、大阪城の敷地内にある「大阪城ホール」に浜田省吾のコンサートを見に行ってきました!
浜田省吾(以下省吾と呼び捨てで略称させて頂きます・笑)、ほんと大好きなんですよね〜。私の一番好きな歌手です。アルバムも当然全部持っていますよ(^^)
ただ、若い世代の人達の中では省吾のことを知らない人も多いのではないでしょうか?ここずっとテレビにはまったく出ませんしね。
省吾のコンサートでは必ず年齢調査があるのですが(省吾自身が「何十代の人は手を挙げて!」という感じで調査します)、それを見ていると会場はほぼ30代と40代で占められていて、10、20代はかなり少ないです。
ただ、省吾の曲はものすご〜く良いので、まだ聴いたことの無い方は是非ツタヤでアルバムを借りて聴いてみて下さいね(^^)

私自身、省吾のコンサートは2001年12月に今回と同じく大坂城ホールに見に行って以来ですから、4年ぶりの生省吾コンサートです!
4年前は、

ON THE ROAD 2001
「THE SHOGO MUST GO ON」


というコンサートツアーだったのですが、今回は、

ON THE ROAD 2005
「MY FIRST LOVE」


というタイトルで、7月に発売されたNEWアルバム「MY FIRST LOVE」の名を取ったコンサートツアーです。

もう〜夏くらいからずっとこのコンサートが楽しみで、チケットの先行抽選予約に申し込んでいたのですが、チケットに当選はしたものの、残念ながらその席は「ステージサイド席」(>_<)
4年前のコンサートは「2階スタンド席の最後列」で、その時は豆粒のような省吾を見たものですから、アリーナで一度見たいなあ・・・、と思っていたのですが、その夢が叶えられず残念でした。しかし、それでもチケットが取れない人も居るわけですから、「チケットを取れただけでも良し」としなければならないでしょうね。

そして、コンサート当日。
JR大阪城公園駅で夕方の4時30分に友達と待ち合わせしたのですが、この日はあいにくの雨・・・。にもかかわらず、駅周辺は人だかり!!それも最初に書いたようにいつもと同じく年齢層高めでございます(笑)。
そして、会場に入る前にまずはグッズを購入。
私が買ったのは、キーホルダー、コンサートツアーパンフレット、ツアーTシャツとそれらを入れる小さな布製のカバンの4点。本当はギターのピック形をしたネックレスも買いたかったんですが、5000円と高価だったので断念しました(>_<)

さて、多くの人でごった返す中、ようやく会場に入り席を探すと、私の持っているチケットの「ステージサイド席」は、その名の通りステージの真横の席で、2階スタンド席ではありますが、ステージがかなり近くに見えるのでものすごくラッキーでした!
4年前に省吾のコンサートに行った時、私は大阪城ホールの3日間の興行中2日間見に行ったのですが、最初は先に書いたように2階スタンド席の最後列、そしてその次は2階スタンド席のその又後ろの通路での立ち見でした(>_<)
今回はアリーナ席でなかったのは残念でしたが、ほんと4年前と比べると雲泥の差でしたね(^^)

そして、いよいよ6時にコンサート開始!
(ここからコンサートのネタバレを含みますから、もしこれから見に行かれる方は読み飛ばして下さいね)
最初の曲は、NEWアルバム「MY FIRST LOVE」から「ある晴れた夏の日の午後」
う〜ん、いい曲だなあ〜♪と聞き惚れていると、2曲目は同じくNEWアルバムからシングルカットされている「光と影の季節」
この曲はドラマの主題歌にもなって大ヒットした「悲しみは雪のように」(この曲くらいは皆さん知ってるかな?)以来、久しぶりにオリコンTOP3に入った曲なんですよ。

そして、コンサートはその後も大盛り上がり!
「HELLO ROCK & ROLL CITY」「終わりなき疾走」といった省吾お得意のロックで盛り上がったと思えば、その後は「彼女はブルー」「君の名を呼ぶ」といったラブバラードでしっとりと聴かせてくれます。
「彼女はブルー」という曲は、私のとても好きな曲の一つです。
この曲は「青空の扉」というアルバムに収録されているのですが、この曲の内容はこんな感じです。


ある男性が居て、彼には一人の恋い慕う友達の女性がいるのですが、その彼女には他の彼氏がいて同棲して付き合っていました。
しかし、ある日、その女性が彼氏と失恋します。
そのため、彼女は彼のアパートを出て行って一人暮らしを始めますが、まだ彼への思いが捨てきれないのか、いつも物憂げな表情を浮かべ、ブルーな気分で日々を過ごしています。
そんな彼女をその男性はすごく心配するのですが、何とかして彼女を励ましたいんだけど上手く言えない、そして何とかしてこの自分の思いを彼女に告げたいんだけどそれが出来ない・・・。
その男性にとっては、まだ前の恋愛をひきずっている彼女に告白することによって、彼女をさらに悩ませ傷つけたり、そしてそのことでお互いの友達関係を壊すのが恐くて仕方ないのです。
そのため、その男性は自分の思いを打ち明けたいんだけども、彼女のことがすごく大切な存在なので、彼女の心の傷が癒されるのを黙って静かに温かく見守っている。


と、まあこんな感じの曲なのですが、歌詞や曲調もとても良いので、是非ご興味のある方は聴いてみて下さいね。良い歌ですよ〜(^^)

話を戻しますが、少し驚かれる方も多いと思うのですが、省吾のコンサートは約3時間半以上はあるのです!
その時間を聞いただけでもスゴイと思いませんか?
ほんと省吾のコンサートは歌う曲数も多いし、アンコールもダブルでありますし最高に楽しくて盛り上がりますよ(^O^)
特に、今回は「家路」という曲を生で聴けてすごく感動しました!
この曲は「Home Bound」というアルバムの中に収録されているものですが、省吾ファンで好きな曲のアンケートを取ると、必ずベスト3には入ってくる名曲です。
歌詞がいいんですよね〜。
この曲は、男の孤独さを歌い、そして心震えるような真実の愛を見つけるために、永遠に旅を続け、そしていつかその愛にたどり着きたいと願う男の生き様が歌われています。


「どんなに遠くても たどり着いてみせる 石のような 孤独を道連れに 空とこの道出会う場所へ」


「家路」のサビの部分ですが、いいですよね〜(^^)
と、熱くコンサートの話ばかりを書きましたが、日記の本編はここから始まりますのでご了承下さい(笑)。

さて、6時に始まったコンサートは9時40分過ぎに終わり、会場を出たのは10時少し前でしたので、夕飯を食べていなかった友人と私は、近くの居酒屋でご飯を食べようと考え、大阪城ホールから歩いて京橋方面へと向かいました。

大阪城ホールから京橋までは歩いて20分といったところでしょうか、コンサートで熱く盛り上がった後でしたし、また立ちっぱなしの腕上げっぱなしでしたから(笑)、特に私の体は「疲労度D」(←ひと昔前に流行りましたよね^^;)でした。
そのため、一刻も早くお店を見つけて座りたかったので、京橋に着いてから適当に値段も安そうな炉端焼風の居酒屋に入ったのですが、ここで変わった出来事と言いますか、しょうもない一悶着がありました。

その居酒屋に入ったのが、午後10時半過ぎ。
夕飯を食べていない私達はお腹もペコペコでしたので、生ビールをまず注文し、刺身やら焼き鳥やら結構たくさんの品を注文したのですが、その中で私の友人が右隣りに座っていた男性二人組が「冷やっこ」を美味しそうに食べているのを見て、


「冷やっこを一つ」


と、注文を取りに来たおばちゃんの店員さんに言いいました。
すると、そのおばちゃん店員は、


「すいません、品切れなんです」


と答えました。
当然その時はその受け答えに何の疑問や違和感も感じることなく、「あっ、無いんやったらしょうがないわな」とばかりに何一つ気にすることもなく、別のものを注文したのですが、注文を聞き終えておばちゃん店員が立ち去った瞬間、奥の調理場に居た店員さんの一言からある大きな疑問が沸いたのです。


「はい!湯豆腐、カウンター2番さ〜ん!」


(???)

友人が注文した「冷やっこ」は品切れなのに、調理場から「湯豆腐」がカウンター席の別のお客さんに運ばれてきたのです。
私と友人は顔を見合わせながら、ちょっとキョトンとした表情を浮かべていると、更に奥の調理場から、


「はい!湯豆腐、テーブル10番さ〜ん!」


という、威勢の良い大きな掛け声が聞こえてくるではありませんか。
その声を聞いた私の友人は、私に対して、


「今さあ〜『湯豆腐』って言ってたけど、豆腐あるんとちゃうの?」


と私に話しかけました。
確かに、「冷やっこ」が品切れで「湯豆腐」があるのはおかしいですよね。
友人の疑問も無理ないことですが、私はふと気付いて、


「あれは多分、俺らより先に注文してたやつやで。だから、もう豆腐が品切れなんやわ」


と友人に言いました。
その言葉を聞いた友人は、

「あっ、なるほどな」

と納得し、その後何事も無く運ばれてきた料理を食べながらビールを飲み、話も盛り上がっていたのですが、その楽しい平穏な時間は、その後すぐにもろくも崩れ去ることになるのです。

私達の座っていたカウンター席の左隣りに、会社帰りのおじさんでしょうか、二人組が座り、注文を取りに来た店員さんに対し、


「湯豆腐、一つね」


と、言いました。
それを聞いた私も、そして友人も「おっちゃん、豆腐品切れやで〜」とおそらく頭の中で思っていたと思うのですが、何と!その店員さんが、


「かしこまりました!」


と返事したのです。


(????)


私と友人はお互いに顔を見合わせながら、またまた戸惑いの表情を浮かべてしまいました。
おかしいと思いませんか?
「湯豆腐」はあっても「冷やっこ」は品切れ。
ほんとどうでも良いようなことなのですが、何だか私達には妙に気になったのです。
そして、いつしか二人の会話はコンサートの話から「豆腐」の話に切り替わっていったのです。
私達は色々と考えてみて、「『湯豆腐』はあっても「冷やっこ」は品切れ」の疑問に対し、いくつかの次のような答えを導き出しました。


1.この居酒屋では「湯豆腐」と「冷やっこ」にする豆腐を使い分けている。
2.最初に注文を聞きに来たおばちゃん店員が「冷やっこは品切れ」だと勘違いしている。
3.おばちゃん店員が「冷やっこ」と宮崎名物「冷汁」を聞き間違えた。(←ありえない・笑)



3の可能性は即座に消えましたが(笑)、まず1は可能性があると考えました。
お店によっては、「湯豆腐」は固めの「木綿豆腐」「冷やっこ」はやわらかい「絹ごし豆腐」といったように使い分けているかもしれませんよね。
なので、私は左隣りのおじさん二人組に運ばれてきた「湯豆腐」をジッーと凝視して観察してみたのですが、湯豆腐の豆腐はいわゆるやわらかい「絹ごし豆腐」でした。
また、友人が右隣りの男性二人組のテーブル上にある「冷やっこ」を観察すると、これまた「絹ごし豆腐」だったのです。
しかも、二つとも見たところは何の変哲もない、どこにでも売っていそうなスーパーの豆腐にも見えますし、その違いは見た目ではまったく分かりません。また、値段も「冷やっこ」が200円、「湯豆腐」も200円と同じ値段なのです。
と、なると、これは2番目の「おばちゃん店員が「冷やっこ」が品切れだと勘違いしている」説の可能性が高いと考え、私達は違う店員にもう一度「冷やっこ」を注文してみることにしました。

あっ、誤解を与えないために書きますが、何も私達はどうしても「冷やっこ」を食べたかったわけではありませんよ〜(笑)。
ほんの些細な疑問が私達にチャレンジ精神を沸き立たせたとご判断下さい。(←何それ?って言われるかもしれませんが^^;)

さて、私はホールに居た若い女性の店員さんに、

「すいませ〜ん」

と声をかけ、「追加注文したいんですが」と言いました。
そして、満を持して、

「冷やっこ一つ」

と言うと、その若い店員さんは、

「すいません、品切れなんですぅ〜」

と言うではありませんか!

(うっ・・・、やっぱり品切れか・・・)

私は心の中でそう呟きました。(おそらく友人もそう呟いたことでしょう)

「冷やっこ」が本当に品切れとなると、つまり「湯豆腐」と「冷やっこ」に使う豆腐をこの居酒屋では使い分けてるということになりますよね。
しかし、こんな小汚い、しかも料理も冷凍食品を出しているような居酒屋(←失礼^^;)でそんなこだわりがあるのかすこぶる疑問でしたし、また「湯豆腐」や「冷やっこ」を作り置きしているということも考えましたが、「湯豆腐」の作り置きはあり得ないので(つまり長時間煮込みっぱなしだと豆腐は崩れるため)、それから考えても、「湯豆腐」と「冷やっこ」は別の豆腐を使っているのだという結論に私達二人は達したのです。

今まではただ単に「冷やっこ」が無くて「湯豆腐」があることが一つの疑問だったため、「冷やっこ」が一度品切れだと言われながらも、再度それを注文するチャレンジを行なったのですが、今度はそれに加えて、


(豆腐を使い分けているくらいのこだわり「湯豆腐」を食べてみたい・・・)


という新たな気持ちが私達に生じ始めました。
そのため、私は再度若い女性の店員を呼びとめ、今度は、

「湯豆腐を1つ!」

と、注文すると、何とその若い女性の店員が、

「すいません、さっき湯豆腐は全部出ちゃったんですぅ〜」

と言うではありませんか!


(ガーン・・・・)
(はよ、湯豆腐注文しといたらよかった・・・。ガクッ)



あれよこれよと考えている内に、「湯豆腐」は既に品切れとなっていたのです・・・。
私達は「こだわり湯豆腐」(←勝手に想像してのことですが^^;)がどんなものかを期待していたがゆえに、品切れとの言葉を聞いて、ものすごく落胆してしまいました。
でも、まあ仕方ないですよね。
私達は気を取り直しましたが、さっきから豆腐のことばかり考えていたためか、豆腐料理が急に食べたくなり、メニューに書いてあった「揚げ出し豆腐」を注文しようと考えて、今度は最初のおばちゃん店員を呼び止めて、


「すいません、「揚げ出し豆腐」を1つ」


と注文すると、おばちゃん店員が、


「すいません、揚げ出し豆腐は品切れなんです」


と言うではありませんか!
そして、その言葉を聞いて、私達が「えっ?」と言うと、そのおばちゃん店員が、



「マーボー豆腐ならありますよ〜」



と言うではありませんか!


「はあ〜???????????」


私と友人の頭の中は急激な「豆腐パニック」に陥りました。


「冷やっこ」はなし。
「湯豆腐」はあり。(後に品切れ)
「揚げ出し豆腐」はなし。
「マーボー豆腐」はあり・・・。



「ここ、わけ分からん店やないけ〜!!!!!!!」


私と友人はそうお互いに呟くと、足早にその店を出ました。
一体この居酒屋の豆腐の使い分けはどうなっているのでしょうか???
皆さんはこの謎の「豆腐方程式」を解くことは出来ますか?
私達の間では、未だにその答えは導き出せないままです・・・。
平成16年8月14日(土)<晴れ> 「言うべきか、言わざるべきか・・・」

今日は週末の土曜日です(^^)
仕事も休みだし、「さあ〜、今日は何をしようか?」と考えたのですが、特に予定無し(^^;
なので、この日は久しぶりに「古本屋さん巡り」でも行こうかと思い立ち、自転車に乗って大阪の「天神筋橋商店街」へ行きました。

この大阪の「天神筋橋商店街」は、自称なのかどうかは分からないのですが、よく「日本一長い商店街」と言われています。
確かにそう言われるだけあって、大阪の中心部を南北に走るほんとうに長〜い商店街で、ここには衣料品店や食料品店、雑貨屋や本屋などなど、たくさんのお店が軒を連ねています。また、この商店街周辺には結構古本屋も多いんですよね。

と、言う訳で、久しぶりに折りたたみ自転車の「ハリケーン号」(←勝手に命名(笑)ちなみに仮面ライダーV3のバイク名です・笑)を出動させて、サイクリングがてらに「天神筋橋商店街」を目指すことにしました。
が!あづいいいいいいいいい〜!(「あづい」は「暑い」の最上級形です・笑)
春や秋の時期のサイクリングって、とっても風が爽やかで清々しい気分になれますが、夏の、それも都会のオフィス街を走り抜けるサイクリングは、「サイクリング」ならぬ一種「トレーニング」みたいなものですね(^^;
ギラギラと照りつける太陽、そしてアスファルトからモワッ〜と上がってくるような照り返し、各家庭から吐き出されるクーラーの排気熱・・・、ほんと都会の夏のサイクリングはかなりの覚悟が必要です・・・(^^;
私は汗だくになりながら自転車を漕いで行ったのですが、まさに地獄のサイクリングとなりました・・・。

また、私はすごく水分を多く摂りたがる男なので、途中何度かコンビニに寄って水分補給をしようと思ったのですが、本当はお茶やミネラルウォーターなどあっさりした飲み物を買って喉を潤せば良かったのですが、私は大の「炭酸好き」と来たもんだから、「三ツ矢サイダー」とか「ファンタグレープ」(←大好き^^)とか「ペプシコーラ」なんていう、見るからに甘くて飲んでも更に喉が乾きそうなものばかりを買ってしまい、結局は買う前よりも余計に喉が乾くという悪循環になってしまいました(^^;
炭酸の入った飲み物って、何度飲んでも喉が潤わないのは分かっているんですけど、ついつい好きで買ってしまうんですよね(>_<)

そんなこんなで、炭酸ジュースを片手にようやく「天神筋橋商店街」に到着した私は、数軒知っている古本屋さんを巡ったのですが、特に目新しい物や探している本には出会うことが出来ませんでした・・・。
古本を見つけるのって、ほんとタイミングが命なんですよね。
自分が探している本に出会ったり、面白そうな本に出会うためには、こまめに古本屋さんに足を運ばないと出会えないのです。
古本は、大きな古本屋さんに行けば、その本が必ず「ある」という代物ではないですよね。
でも、そこが古本屋さん巡りの楽しいところではないかと思います。
タイミングがピッタリ合えば出会えるし、タイミングが合わない時はいくら探しても見つかりませんから。
古本って、つくづく縁の物だなあ〜、なんて思います。

と、こんな風に結局はお目当ての本が見つからなかったのですが、時計を見ると、もう1時20分。
まだお昼ご飯を食べていなかったことを急に思い出し、私はお店を探し始めました。

(今日は何を食べようかなあ・・・)

いつもならここで麺好きの私には「ラーメン屋さんに入る」という選択肢がすぐに思い浮かぶのですが、なかなか美味しそうなラーメン屋さんは見つからず・・・。
ただ、一軒だけ入ったことのないラーメン屋さんを見つけたのですが、店内を見ると、見るからに汚そうなカウンター席だったので、まるで「なるほどザ・ワールド!」のラスト「恋人選び」で、愛川欽也が「はい、消えた!」と回答者席のテーブルを叩くかのように、そのお店は私の選択肢からは消えました・・・。(←例えが古すぎる・・・^^;)

そのため、私は自転車を漕ぎながら色々と他のお店を探し始めたのですが、なかなかこれと言ったお店が見つかりません・・・。
一人でお昼ご飯を食べるのって、難しいですよね〜。
最近の大阪は洒落たカフェが街中の至る所に出来ていますが、一人でサンドイッチを食べながらコーヒーを飲む気分でもありませんでしたし、「どうしようかな・・・」と迷っていると、前方に少しオシャレな店構えのオムライス屋さんを発見したのです。

「おっ、ここが良いかも!」

私はもうお店を探すのにも少々疲れていたので、即決でそこに入ろうと決めました。

開店したばかりのお店なのでしょうか、店内は非常に綺麗で、お客さんも女性客が2組くらい入っているだけでした。
私はメニューの中から
「オムライス + スープ + サラダ + コロッケ」
が付いているCセット(1000円)を選びました。
オムライスは数種類の中から選べたので、クリームソースのシーフードオムライスを選ぶことに。また、お腹が空いていたので、+150円で大盛りにすることにしました。

暑い最中のサイクリングでかなり疲れて、お腹はもうペコペコでしたので、早くオムライスが来ないかと、

「まだかな、まだかな〜、学研のおばちゃんまだかな〜」

な〜んて、「学研のおばちゃん」の部分を「オムライス」に変えて(笑)、またもや時代を感じさせるような古いCMのフレーズを頭の中に唱えていると、ようやく最初にセットに付いている「コンソメスープ」が来ました。

(うん、美味しい・・・)

その「コンソメスープ」は非常に美味しかったので、このお店は「期待出来るかも?」な〜んて思ったのですが、その期待はサラダの後に来たオムライスによって、無残にも木っ端微塵に砕かれました・・・。
シーフードオムライスを一口食べて見ると・・・、


(マ、、、、マズイ・・・・)


クリームソースのシーフードオムライスは、はっきり言ってかなりマズかったです(>_<)
まず、クリームソースは明らかに市販品で味もイマイチ・・・、それも出された時点で冷めているという状態・・・、オムライスも卵はトロトロどころか火が通りすぎてカサカサ・・・、ご飯もサラサラ感がまったくなく、どちらかと言うと、家で作るオムライスのようにべっちゃりとした触感・・・。


(お店選び、失敗してしもた〜〜〜〜!!!)


オムライスを数口食べた私は、あれだけ時間をかけて選んだお店なのに、こんな店に入ってしまったことを悔やみ、とっても自己嫌悪に陥りました・・・。

(ふぅ〜・・・、これやったら吉野屋で「豚丼」を食べた方が安くついたし、美味しかったわ・・・)

でも、出されたものを残すわけにはいきません。

(くっ・・・、大盛りなんかにするんじゃなかった・・・T_T)

私は150円をプラスして大盛りにしたことを後悔し、かなりのローテンションに陥りましたが、何とかそのオムライスを食べ続けていると、そこに一組の女性の二人客がお店の中に入り、そして僕の隣りのテーブルに座ったのです。

二人の女性客はメニューを見ながら、「どれにしようか、これにしようか」と悩んだ挙句、店員さんに対し、


「Cセットを2つ。シーフードオムライスで」


と言ったのです。


(ギョッ!)
(お姉ちゃん達、その選択はやめといた方がエエよ〜。ほんまにマズイから・・・T_T)



私は心の中で呟きましたが、他人の注文に横から口など挟めるわけがありません。
営業妨害も甚だしいですからね。
しかも、その女性客の一人が、


「一つは大盛りにして下さい」


と言ったのです!


(キョエ〜!!!それはやめた方がイイって、絶対!)


私は心の中でそう叫びましたが、そんな心の叫びが彼女らに届くわけもなく、その二人の女性は注文を済ませると、大きな声で会話を始めました。


(お姉ちゃんら、絶対後悔するやろうな・・・)


私は隣りの席で必死にまずいオムライスを食べながら、そう思っていたのですが、次の瞬間、とっても気になることが起こったのです。

その後、店員さんがその二人の女性のテーブルにやって来ると、


「サラダ、お持ちいたしました〜」


と言ったのです。


(ありゃ?先に「コンソメスープ」が来るはずやのに?)


私も彼女らも同じ「Cセット」、内容もまったく同じであるはずなのに、彼女らは「コンソメスープ」が来ずに、先にサラダが来たのです。
本来なら、他人のテーブルに何が来ているかどうかなんて気にする方がおかしいのですが、すごく近い隣りの席だし、同じ注文をしたことで印象に残っていたのか、彼女らにスープが来ないことに私自身がふと気付いたのです。
また、私は美味しくないオムライスを食べるのが苦痛だったのか、食べることに集中出来ていなかったので、隣りの席にスープが来ていないことを即座に気付いたのかもしれません(苦笑)。

しかしながら、食べ物の出される順番が入れ替わる事なんてよくあることですから、


(まあ、サラダが先に来ただけで、後で来るんやろうな)


なんて、私は思っていたのですが、その後、店員さんが女性客の前に来ると、


「シーフードオムライス、お待たせいたしました〜」


と言ったのです。


(あれ〜?やっぱり忘れてるジャン!)


一度気になってしまった関係上、どうしても見てしまったのですが、やっぱりその女性客にはセットに付いているはずの「コンソメスープ」が来ていないのです。
そしてまた、その女性客二人も会話に夢中になっていたのか、自分達に運ばれて来るはずの「コンソメスープ」が来ていないことに、まったく気付いていないではありませんか・・・。

私は、


(これって、僕はどうしたらエエんや???)


と自問自答しました。
まったくのアカの他人である私が、店員さんを呼んで、


「彼女らにまだコンソメスープ来てませんよ〜!」


なんて、言うわけにもいきませんよね。
また、私がその二人の女性に対し、


「そのセットにはスープが付いているんですけど、まだ来てませんよ」


なんて、言うのもどうかな〜・・・、何だか隣りの人が何を注文して、何を食べているのかを「ジッー」と覗き見しているみたいで、一種「アブナイ男」に見られるじゃないですか!
(確かに「ジッー」と見ていたことは否定できないのですが・・・苦笑)

私は心の中で自問自答を繰り返しました。


(これは言うべきなのか、それとも言わざるべきなのか・・・)


私はまずいオムライスを口に運びながら、ずっと悩んでいたのですが、その時、隣りの二人の女性の口から小声で、


「このオムライス、めっちゃマズイわ・・・」


という声が聞こえてきました。


(そうやろ!そうやろ!)


私は心の中でその感想に同意したのですが、なおさら、まずいオムライスだけを食べていて、唯一美味しかった「コンソメスープ」を飲んでいない彼女らに対し、何だか大きな同情を感じてしまったのです。
しかし、ここで「僕がしゃしゃり出るのはいかがなものなんだろう??」という葛藤が、いつまでも私の心の中に続きました。


(勇気をもって言うべきか、それとも言わざるべきか・・・)


ここまで読んで頂いた皆様、
「何でこんなことで悩むの?」とか「そんなの放っておけばイイじゃん!」
なんて、突っ込みたくなっているでしょうが、私はマジで真剣に悩んだんです!(笑)
同じまずいオムライスを食べていることで、妙な親近感が沸いたわけではありませんが(笑)、とにかく彼女らにスープが来ていないことが気になって仕方がなかったのです。

でも、初対面の女性に「スープがまだ来てませんよ」というのは、どれだけ勇気がいることなのかを分かって頂ければと思います・・・。
ハンカチを落とした人に「これ落ちましたよ」と声をかける1000倍以上の勇気がいることなのです。(←例えが少し違うような・・・笑)
だって、「スープがまだ来てませんよ」と女性に言うことは、彼女らにとって良いことなのかもしれませんが、そういう内容を言うことによって、私自身が「ジッー」と女性達を見ていたと誤解され、ストーカー的な男と判断されると嫌じゃないですか!
また、極度の緊張から、


「チュウープが来てませんよ」


なんて、「スープ」「チュウープ」なんて言い間違えたとしたら(←考え過ぎ^^;)、こっ恥ずかしいじゃないですか〜!!!

私はものすご〜く悩みました。


(言うべきか、言わざるべきか・・・)


しかし、私は「誠実な西郷さんなら言うに違いない!」と思って決心したわけではありませんが(笑)、「一時的な恥ずかしさを恐れるより、ここは男としての正義を貫こう!」(そんな大げさなことでもないんですけど・笑)と思い立ち、私は思いきって女性達に「スープが来ていない」ことを言おうとしたのです。


「あ、、、あのう〜」


と、私がまさに口に出してそう言おうとした瞬間、女性二人の会話が私の耳と胸を深くえぐるように突き刺さりました!



(女性A)「この前さあ〜、スタバで『カフェモカ』飲んでたらさあ〜、隣りに座ってた全然知らんおっさんが突然声をかけてきて、『カフェモカ飲んでるのん?』って聞いてきたんよ〜」
(女性B)「うわあ〜、何それ?気色悪い声のかけ方やな〜。それってナンパなん?」
(女性A)「と、思うねん。突然話しかけてくるだけでも気色悪いのに、人が飲んでるもんジッーと見てるなんて、めっちゃ
キモイやろ〜」



(突然話しかけてきた・・・?)
(人が何を飲んでいるかジッーと見てた・・・?)
(気色悪い・・・?)
(めっちゃ、キ、キモイ・・・?)


(うっ・・・)
(それって、今まさに俺がしようとしていることと同じやないか〜〜〜〜!!!!!!大絶叫)



私は完全にフリーズして固まりました。
何と言うタイミングなのでしょうか!!!
私が今まさに行なおうとしている、超が付くほどの「純粋な善意」は、彼女らにとっては「キモイ」(気色悪いの略式形です^^;)行動以外の何物でもなかったのです!!!!

いや、そのスタバで女性に声をかけたおっさんと私の今行なおうとしている行動は、当然根本的には全然違うことは分かって頂けると思いますが、そんな会話をしている彼女らにとって、私が取ろうとしている行動は、同じように取られる可能性も無きにしもあらずだと思いませんか?
特に、「何を飲んでるのかをジッーと見てた」おっさんの行動は、「何を食べているのかを見てた」私の行動に相通じるものがあるではありませんか!!!

確かに私の場合は「ジッー」と見ていたわけでなく、偶然に目に付き、気になっただけなのですが、私の取ろうとしている行動は、私の好きな炭酸ジュースで例えるなら、「三ツ矢サイダー」と「キリンレモン」、コップに注いだら見た目はまったく一緒ですが、味が微妙に違うという感じくらいしか、そのおっさんと私の行動の差は、彼女らにとっては無いのかもしれません・・・。(分かりにくい例え^^;)


(うっ・・・、こんな話を聞いて、声なんてかけられるわけがない・・・)


私が悩みに悩んだ末に振り絞った正義感(←一般には「おせっかい」とも言えます^^;)は、彼女らの会話によって、ガラスのように「パリーン」と音を立てて砕けてしまいました・・・。
私は完全に、


(ギブアップ・・・)


と心の中で呟き、彼女らには申し訳なかったのですが、そのまま何も言わずにこの場を去ろうと思ってしまったのです・・・。

が、次の瞬間!予想にもしない出来事が起こりました!



(女性B)「『カフェモカ飲んでるのん?』で思い出したけど、私らスープ飲んでないで!」



(えっ・・・?)
(よ、、、、、よくぞ気が付いた!!!!お姉ちゃん!!!!)




まさに奇跡の瞬間でした!
こんな会話の中から「忘れていたスープ」の話に繋がるとは!
神は私の超純粋な正義感を無駄にはしなかったのです!(←違うような気もしますが・笑)


(これは神のお導きに違いない・・・)<と、勝手に思い込む・笑>


女性客が店員さんを呼んでスープがまだ来ていないことを告げたのを見て、私はようやく「コンソメスープの呪縛」から解き放されたのです!


(あ〜、良かった・・・。ホッ・・・)


私は安堵感一杯でようやく席を立つことが出来ました(^^)
しかし、「カフェモカ」から「コンソメスープ」を連想した女性Bさん、あなたはスゴイ女性です!(笑)
平成16年5月12日(水)<晴れ時々曇り> 「不健康自慢」

GWも終わり、何だか現実に戻ってしまった今日この頃・・・。
楽しかった九州旅行のことなんかを思い出すと、余計に現実から遠のいてしまうし(><)
そうそう、サイト内にも「西南役紀行(延岡の山野を往く)」として更新しましたが、宮崎県の延岡は、ほんとうに素晴らしい町ですよ〜♪
青々とした山々は瑞々しく光輝いていて、素晴らしい景色が見られるばかりか、延岡には清らかな川がたくさん流れていて、心を落ち着かせてくれる。
また、それに加えて綺麗な海までもある!
なかなか無いですよ、山も川も海もこんなに綺麗な町って。
また、夕陽もものすごく綺麗で、夜は満天の星空が見えるそうです!
最近は延岡も都会へ人口が流出しているらしく、非常に残念なことなのですが、延岡はほんと目や心を和ませる風景が一杯で、素晴らしい町だと思います。
皆様も宮崎に行かれたら、是非、延岡まで足を伸ばして下さいね。
また、延岡に行かれた際は、うちからリンクしている「スナックジュリー」へどうぞ(^^)
素敵なお店ですので、楽しい時間を過ごせることは間違いありません♪

さて、そんなこんなで、旅の余韻に浸りながら、やる気を奮い起こす毎日だったのですが、カレンダーを見ると、いつの間にやらもう水曜日!
私は、毎月第1、2、4水曜日に、アコースティック・ギターを習っているので、5月12日はそのレッスン日でした。
ギターのレッスンは午後7時30分から1時間なので、いつもは仕事帰りに夕食を食べてからレッスンを受けるようにしているのですが、夕食の選択にはいつも困っています。

私がレッスンを受けているのは、大阪の中心部にある「梅田」という繁華街なので、食事をとるのには困らない立地条件にあるのですが、レッスン会場の近くには、居酒屋やバーは多いんですけど、1人で入れるような食べ物屋さんが少ないんですよね。
なので、いつも会場の近くにある「天丼屋」か「カレー屋」(いずれもチェーン店^^;)に通って、そこで夕食をとっていたのですが、さすがに天丼とカレーの連続では飽きてしまって・・・。
また、最近、近くにラーメン屋さんを見つけたのですが、「天丼・カレー・ラーメン」だなんて、何か「日本人の好きな食べ物ベスト10」に入るようなものばかりを毎週ローテーションで食べ続けるのは、正直言って飽きちゃうんです(><)
なので、いつも夕食をどこで食べようか迷うところなのです。

この日の夕食も、迷った挙句、少し離れた場所にある「宮本むなし」(すごいネーミング^^;)という定食屋さんに行くことにしました。
このお店はチェーン店なので、ご存知の方も多いかもしれませんが、色々な定食が揃っていて、またご飯もおかわり自由なので、お腹一杯に食べられるお店です(^^)
そして、この日の私は、何を食べようかと迷った挙句、「豚のしょうが焼き定食」を選ぶことにしました。

私が店内の席に座り、入口で買った食券を店員さんに渡して本を読んでいると、注文してから約5分ほど経って、「豚のしょうが焼き定食」が運ばれてきました。

いっただきま〜す!

手を合わせた私は、お腹もペコペコだったので、「しょうが焼き定食」をすぐに食べ始めたのですが、その時、2人組の若い男性客が店内に入り、私の隣りの席に座りました。
2人とも年の頃なら、20歳代そこそこといったところでしょうか。
2人の内、1人は格好も「まとも」と言ったら変ですが、まあ、どこにでもいるような格好をした若い男性だったのですが、もう1人の男性は、非常に特徴的な姿と顔立ちをしていました。

髪の毛は、ばっちりジェルで固められ、「佐賀県」でブレイクした「はなわ」みたいなアンテナが2本、髪の毛を逆立てるようにして立てていました。
服装も真っ赤なTシャツに、ライダー風の黒の皮のジャケット、パンツも皮、そしてまた、腰にはキーホルダーがついていて、ものすごい数の鍵がジャラジャラ、ジャラジャラ・・・。
最近、腰にキーホルダーをつけて、鍵をジャラジャラさせている若者って、町で多く見かけません?
あれって、カッコイイと思ってやっているんでしょうかね?


「どれだけカギがいるねん!」
「そんなことしてたら、大事なカギを落としちまうぞ!」
「カギはポケットにしっかり入れろ!!!」



と、ついつい突っ込みたくなるのは、私がもう若くはないということなのでしょうか・・・(^^;
でも、どうもあのファッション、カッコイイとは思えないんですよね。

また、その若者の特徴として、話す時にやたらと首を上下にして、小刻み振りながら話すのです。


(会津地方の民芸品「赤べこ」やあるまいし、何でそんなに首が小刻みに震えるの?)


と、私は心の中で思わず突っ込んでしまいました。

また、その若者は顔も細長い面長でしたから、私にはその若者のことが、どうしても「ニワトリ」に見えて仕方がなかったのです。(トサカもあるし・笑)

と、こんな「ニワトリ男」(と、これから略します・笑)が店内に入ってきて、私の席の隣りに座り、食券を店員さんに渡すと、そのニワトリ男は、連れの男性に向かって開口一番。



「最近、俺って、不健康な生活してんだよな〜」



と、言いました。
すると、連れの男性が「へえ〜、何でなん?」と尋ねると、ニワトリ男曰く、



「タバコは1日に2箱以上は吸うしなあ〜、ここ2日くらい徹夜やし、ほとんど寝てないねん」



と、自慢げに言うのです。


(おいおいおい・・・、そんなに若いのに、何ちゅう生活してるねん・・・)
(自慢げに言うことちゃうで、それは・・・)



思わず二人の会話が耳に入った私は、そう心の中で呟いたのですが、ニワトリ男の「不健康自慢」は、まだまだ続きました。



「俺さあ〜、毎日めっちゃ酒飲んでるしさあ〜、昨日なんか生ビール10杯以上飲んでしもたわ」
「おまけに連れと朝まで路上で騒いでたしさあ」




ニワトリ男は、まるで自らの武勇伝を語るような口調で、自慢げにそう言いました。
また、続けて、



「ほんでさあ〜、俺って油モノが好きやろ?トンカツとか唐揚げとか。最近そんなんばっか食べてんねん」
「また、昨日の晩飯、ポテトチップスやったしさあ」




と、ニワトリ男はまたまた自慢げにそう話すのです。


(夕飯がポテトチップス???)


ニワトリ男は、ほんとうにニワトリみたいな食事を摂っていたのです!
私は思わず眉をしかめて、横目でニワトリ男をチラッと見ましたが、夕飯が「ポテチ」と言い放ったニワトリ男は、「へっへへ〜」と悠然と自慢げに構えています。



(このニワトリ男、自分の行動がコケコッコ、いやカッコイイと思ってるんかな?)



私は、ニワトリ男の「不健康自慢」に半ば信じられない気持ちでいたのですが、そのニワトリ男の連れの男性も同じ気持ちだったのか、


「そんな生活してたら、体壊してまうで!」


と、言い返したのですが、ニワトリ男は平然として、次のように言い返しました。



「男はさあ〜、若い時は体壊すくらい無茶して丁度ええねん。山崎先輩もそう言うてたわ」



何と言う無茶苦茶な理論なのでしょうか?

「男は、若い時は体壊すくらい無茶して丁度ええねん」

って、そんな訳の分からん無茶苦茶な理論を実践しようとしているニワトリ男に、私は半ば呆れると同時に、それを教えた山崎先輩って誰やねん?と心の中で突っ込んでしまいました。

そんな暴走するニワトリ男を前にして、連れの男性は少し心配になったのか(なぜか連れの男性は常識を持った普通の人なのです・笑)、


「でもさあ、体壊してしもたら大変やで。俺の友達なんか、酒の飲みすぎで胃潰瘍なった奴おるねんで」


と、ニワトリ男に忠告しました。
連れの男性の意見はもっともです。
しかし、ニワトリ男は頭を小刻みに振りながら、それを完全否定しました。




「胃潰瘍?なれへん、なれへん!」
「俺の胃って、鉄の胃やねん!」
「タバコなんかいくら吸っても大丈夫やし、酒、油モノ、何でも来いやで!」





このニワトリ男の座右の銘は、「不健康」なのでしょうか・・・。
若いくせに、こんなに自らの不健康自慢をする人間って、なかなかいないですよね?
また、ニワトリ男は、次のようにも言いました。



「俺ってさあ、さっきも言ったけど、コッテコテの油ギトギトのもんしか、最近食欲わいてけえへんねん」
「毎日油モノばっかりやわ。まあ、若い時はそれでええねん」




(・・・。)


私もニワトリ男の連れの男性も、そのニワトリ男の自信たっぷりな口調に、まさに閉口してしまいました。
でも、まあ、本人がそうしたいなら「どうぞご勝手に・・・」ですよね。
私も馬鹿らしくなって、もうそんな不健康志向の奴の話なんか聞き耳を立てないでおこうと思い、「豚のしょうが焼き定食」を食べ続けようとしたのですが、次の瞬間、信じられない光景を見ることになったのです!

店員さんがニワトリ男の前に注文した料理を持って来ると、次のように言いました。





「栄養バランス定食、お待たせいたしました〜





(えっ???)
(えいよう・・・、
栄養バランス定食?????



私の頭の中は一瞬真っ白になりました!
「不健康」を座右の銘とするニワトリ男に運ばれてきた料理は、普段、不規則な生活で栄養不足になりがちなサラリーマンのために、ヘルシーで栄養のバランスが良い食べ物ばかりを集めた「栄養バランス定食」という定食だったからです!
ニワトリ男は、さっきからあれだけ自慢げに自分の「不健康自慢」を行なっていたのに、いざ注文するとなると、その店のメニューで一番ヘルシーな「栄養バランス定食」なんか注文してたのです!




(兄ちゃん!言うてることと、やってることと違うやんけ〜〜〜!!!)




私は心の中でシャウトしました!


何ちゅう〜、男なんでしょう!


「コッテコテの油ギトギトのもんしか食欲わいてけえへんねん」


と2分くらい前に自慢げに言い放っていた男が、「恐ろしく健康に気遣った定食」を注文していたのですから!!!



(ニワトリちゃん、ものすごく健康に気を使っているやんかいさ・・・)<←今くるよ風^^;>



私は余りにもギャップが激しい光景を目にしてしまったのですが、「栄養バランス定食」の中の一品である「おからと野菜の和え物」美味しそうに突っつく、いや食べる姿を見て、思わず私は、



(やっぱり、この男の前世はニワトリだったに違いない・・・)



と、訳の分からない確信を持ってしまいました。
そして、心の中で、



(山崎先輩、ニワトリ男は貴方の教えを裏切りましたよ・・・)



と、これまた訳の分からない告げ口を呟いてしまったのです。
皆さん、健康には留意して生活していきましょうね。
(これまた、訳の分からない終わり方・笑)
平成16年2月14日(土)<晴れ時々曇り> 「バレンタインデーの想い出」

今日、2月14日は、
「バレンタインデー」ですね。

男性の皆さんは、今年はいくつチョコレートをもらえたでしょうか?
バレンタインデーと言えば、私は特別な良い想い出は特に無いのですが、ただ一つだけ、非常に印象に残っているバレンタインデーがあります。
今回の「走れ!吉之助」は、その想い出話を書かせて頂きますね。


忘れもしない、私が
中学3年生の時の2月14日。
その日の朝、私は急に
風邪で高熱を発したため、急遽、学校を休むことになりました。
体温を測ると、何と38度2分もあるではありませんか!
昨夜までは体の不調は何も無く、私はものすごく元気だったのですが、こういうバレンタインデーという特別な日に限って、発熱するとは・・・。
私は何と運の悪い男なのでしょうか・・・。

バレンタインデーと言えば、学校で同級生や後輩の女の子から、

「チョコレートやプレゼントをもらえるかな?」

な〜んて、期待に胸を膨らませ、ワクワクしながら1日を過ごすことが楽しみなのに、こういう日に限って、私は発熱のために学校を休まざるを得なくなったのです。

ただ、学校に行ったからといって、必ずチョコレートをもらえるというわけでは決してありませんよね。
結局は、ワクワクしただけで、下校時には
大きな脱力感に見舞われている事がほとんどなのですが(笑)。
でも、雰囲気だけでもバレンタインデーを味わいたいし、ワクワクしたいじゃないですか〜、一応ね(笑)。
でも、その日の私は、もう立っていられないほどフラフラで、食欲もまったく無かったため、布団から一歩も出ることが出来ず、朝からずっと床に臥せざるを得なかったのです。(←このように、私はいつも本番に弱い男です・笑)


何時間眠ったのでしょうか・・・。


私が深い睡眠に入っていた午後3時30分頃、朝からずっと眠り続けている私の耳に、家の階段を駆け登る、
けたたましい足音が聞こえてきました。

「誰?・・・」

私はその大きな音を聞いて、一瞬目を覚ましましたが、
高熱で意識が朦朧としていた状態でしたので、そんな音を気にしてられず、さらに布団の中にもぐり込もうとしました。

しかし!その階段をけたたましく登って来る足音は、2階の私の部屋の前で止まると、部屋のドアを一気に開けて、室内へと乱入して来たのです!
突然の慌しい訪問者に、私は意識を朦朧とさせながら、うっすらと目を開けて見ると、私の枕元に、私の母親が
仁王立ちしているではありませんか。
私は、母親が何か飲み物でも持って来てくれたのかと思い、

「そこに置いといて・・・」

と小声で言おうとしたのですが、私の母親は
恐ろしい行動に出たのです!

母親は、私の部屋に入り込むと、高熱でうなされている私を揺さぶり起こして、布団をはぎ取ろうとするではありませんか!


「ヨシキ、ちょっと起き!」


母親はそう
大きな声を出すと、意識が朦朧としている私を慌しく起こそうとするのです。


(もう〜・・・、勘弁してくれよ・・・)


高熱で立つ気力も無い私を揺り起こそうとするなんて、なんてヒドイことをするのでしょうか。
私はフラフラになりながらも、何とか立ち上がろうとしたのですが、発熱の影響でなかなか起き上がることが出来ません。
しかし!
母親が発した次の一言で、
私の朦朧とした意識は一気に目覚めたのです!



「今、同級生の女の子が玄関に来てるよ!チョコレートを持ってきてくれたのとちゃう?」



「えっ〜?何?チョコレート?」
「マ・・・マジで〜???」




後で分かったことですが、この時の私の体温は39度に上がっていたのですが、私は母親の口から発せられた
「チョコレート」という言葉を聞いて、一気に布団から飛び起きました。
母親の説明によると、私が学校を休んだので、同級生の女の子がわざわざチョコレートを自宅まで持ってきてくれたみたいだというのです。
39度近い発熱をしながらも、母親の説明を聞き、私の朦朧としていた意識は、一気に
覚醒しました。

母親は、息子である私が同級生の女の子から
「チョコレート」をもらえるのをかなり嬉しかったのでしょうか、


「良かったな〜、ヨシキ。早く受け取っておいで!」


満面の笑みを浮かべて、私の肩を「ポン」と叩くではありませんか。


私もこの頃は思春期の一人の青年。
母親から、あからさまにそう言われるのが恥ずかったのか、



「ちゃうちゃう。別の用事やって!」



と手を振りながら、照れ笑いを浮かべて言い返しましたが、その言葉とは裏腹に、私の頭の中は完全に
チョコレート一色になっていました。
顔も緩んで
不気味な半笑いになり、完全に「浮かれモード」に入っていたのです。

そして、私は行動に移りました。


私は、高熱を発していてフラフラであるにもかかわらず、こんなパジャマ姿で女性からチョコレートをもらうのは、やはり男として失格だと思い、すぐに服を着替え始めました。
それも一番お気に入りのトレーナーをタンスから引っ張り出し、ヨレヨレのパジャマのズボンを脱ぎ、ジーパンに履き替えました。
長時間の睡眠と水枕で、私の髪の毛はボサボサになり、恐ろしいくらいの寝グセがついていましたが、机の引き出しからムースを取り出して髪の毛を整え、髪型もバッチリに決めたのです。


(よっしゃ〜! これで大丈夫!)


私は完全に
「チョコレート受取り態勢」を整え、1階の玄関先に向かって、階段を降りはじめました。
アニメの
「機動戦士ガンダム」風に言うならば、



「アムロ、いきまーす!」



という感じでしょうか(笑)。

私は一段一段階段を降り始めましたが、


(ドキ、ドキ、ドキ・・・)


と、私の心臓の鼓動は次第に早くなっていきました。

「誰が持って来てくれたのかな?」

なんて考えると、顔が自然に緩んで
ニヤケてしまい、他人が見れば、完全に「だらしない男の顔」になっていたことでしょう。


私が1階に降り、玄関先をチラッと覗くと、そこには何と!
3人も同級生の女の子が玄関に立っているではありませんか!


(さ・・・3人も!!!!)


私の頭の中は、まさに
「狂喜乱舞」していましたが、しかし、薩摩男児、いや男として、そんな喜びを全面に押し出すようなデレデレとした顔をして、


「ごめ〜ん、待った〜〜〜♪」


なんて、
ナンパな男みたいに女性の前に登場することは出来ません。

ここはあくまでもクールで決めないといけないと思い、私は大きく深呼吸して
ニヤケた顔を整えようとすると、私が階段を降りるのを追ってきた母親が、私の背中を指で突っついて、何やら口をパクパクさせています。
声には出ていませんでしたが、私の母親の唇の動きは明らかに、



「チョコ、チョコ。はやくもらっておいで・・・」



と言っています。



「分かってる。分かってる。もらってくるがな!」



私も声には出さず、
口をパクパクさせて母親に応酬していたのですが、このような親子の姿は、後から考えると、かなり異様な姿だったことでしょう・・・(大汗)。

母親にせっつかれながら、私は高鳴る胸の鼓動を押さえて、いよいよ家の玄関に行きました。
そして、3人の同級生の女の子に向かって、



「どうしたん?何か用?」



な〜んて、カッコ良く、髪をかきあげながら、余裕タップリに声をかけたのです。
頭の中は
「チョコレート一色」になっていると言うのに!(笑)

私がニヒルな口調で、3人の同級生の女の子達に声をかけると、3人の中の忘れもしない
Mさんという同級生の女の子が、


「実は・・・」


と、小声で言った後、
カバンの中をゴソゴソと探すような動作をしたので、



(いよいよチョコの登場か!!!)



と、私の期待は
最高潮に舞い上がったのですが、Mさんはその後すぐに、恐るべき一言を発したのです。





「先生から『宿題を渡してきて』って言われたんよ」
「はい、これ」






「し・・・しゅ・・・宿題?????????」




Mさんの発した
「宿題」という一言は、私の頭の中を完全に凍りつかせました。
そして次の瞬間、私の頭の中に
「ショックという名の大津波」が押し寄せてきたのです。



(しゅ・・・・宿題・・・・)

(ガ・・・・ガビーーーーーーーーーーーーーーーーーン)

(チョ・・・コ・・・じゃ・・・ない・・・・・)

(ガクッ・・・・・・・・・)




私はその場に立ちすくみ、大きな目を見開いたまま、完全に固まりました。
しかし、そんな
イースター島のモアイ像のように直立不動になった私をさらに奈落に叩き落すかのように、Mさんの隣りに居た同級生のTさんが、



「つぶちゃん、意外と元気な格好してるやん。明日はズル休みしたらあかんで!」



と、私に向かって言ったのです。



(グサッ!!!)



Tさんが発した言葉という
大きな矢は、私の胸の奥にえぐるように突き刺さりました。

確かに、私の格好だけを見ると、
Gパンにトレーナー、髪の毛はムースでバッチリと整えられていましたので、髪型や格好だけを見ると、確かにどう見ても病人には見えません・・・。



(・・・・。)
(Tさん・・・、この格好はチョコをもらうために、わざわざしたんやで・・・)




とは、口が裂けても言えるわけありません。
私は元気なくその場に座り込みました・・・。


そして、Mさんが差し出す
宿題のプリントを受け取った私は、


「サンキュー・・・」


と小さな声で呟くと、3人の同級生の女の子達は、


「それじゃ、つぶちゃん、またね!」


と、まったく何事も無かったかのように、私の家から立ち去っていったのです・・・。


残された私と母親の二人の間に、それ以後
何の会話もなく、そしてその後、私の熱が39度に上がったことは言うまでもありません・・・。

しかし、バレンタインデーに宿題をことづける先生も先生だと思いません?

これが私の強烈な「バレンタインデーの想い出」なのですが、皆さん、チョコレートをもらう際には、どうぞ
「ぬか喜び」にはお気をつけて・・・。
平成15年11月27日(木)<曇り> 「ケーキ完食宣言!」
この日、私は福島県福島市に居ました。

仕事の関係で、前日の水曜日から埼玉県を皮切りに、仕事の出張と有給休暇を合わせて、現在執筆中の「世良修蔵暗殺の周辺」(仮題)の取材をかねて、福島市を訪れていたからです。
この日の福島県の中通り地方の最高気温は8℃・・・。
私の住む大阪の最高気温は16℃くらいでしたから、一気に最高気温が半分に下がったところに行ったことになります。
私は寒さに弱い男なので、ほんと冬の東北は辛かったです(>_<)

この日は福島市内に一泊する予定であったので、私はホテルにチェックインした後、夕食を食べに町へと繰り出しました。


「旅先では名物を食べろ!」


が、私の「旅先での信条」なのですが、まず、「福島の名物って何だろ?」という疑問から始まり、本屋さんで色々とお店を調べたりしたのですが、どうも惹かれるお店や名物が見つからず・・・。
また、一人では入られるお店も限られてきますので、結局、町中を長時間うろうろしたにもかかわらず、良いお店が見つかりませんでした(>_<)
体はどんどん冷えてくるし、お腹は減ってくるし・・・。
私はどんどん衰弱していったのですが(←大げさ!)、その時、偶然に
一軒のラーメン屋さんを発見したのです!
寒いと言えば、やっぱり温かいものでしょう(^^)
そして、ラーメン!私は大好きなんですよね(^0^)

「ここで食べよう!」

私のお腹は既に悲鳴を上げるほどに減っていたので、私は迷わずそのラーメン屋さんに飛び込みました。

店内に入り、メニューを見てみると、このラーメン屋さんは
「味噌ラーメン」がイチオシのようです。


「初めてのお店では、迷わず『看板メニュー』を食べろ!」


が、私の「旅先での信条PART2」なので、私は「味噌ラーメン」と「半チャーハン」(←量が半分のチャーハン)のセットメニューを注文しました。

このお店、メニューを注文すると、まず最初に「ゆで卵」を1個サービスで出してくれる良心的なお店で、また、出てきた味噌ラーメンも野菜たっぷりで
ボリュームまんてん!
また、半チャーハンは、半分の量どころか、他のお店なら普通サイズで出されるような立派な量がありました。
メニューをよく見てみれば、「学生割引」があるお店だったので、学生達に評判のお店なのかもしれません。
とにかくすごいボリュームでした。
「味噌ラーメン」、「ゆで卵1個」、「チャーハン」
この3つを食べ終えた私は、もう〜、お腹一杯になりました(^^)


と、まあこんな風に、たらふく夕食を食べた私は、お店を出るとすぐにホテルに戻りました。
この日は木曜日。
毎週楽しみにしているドラマ「白い巨塔」の放映があるため、早めにホテルに帰ってお風呂に入ろうと考え、味噌ラーメンを食べ終えた私は、その足でホテルへと向かったのです。

ホテルの前に着くと、チェックインした時にはよく分からなかったのですが、ホテルの1階が
ケーキ屋さんになっていることに私は気づきました。


「あっ、こんなところにケーキ屋さんがあったんだ・・・」


私はそう思い、ガラス越しにお店を少し覗いてみると、ショーケースには
美味しそうなケーキがたくさん並んでいるではありませんか・・・。
私は、味噌ラーメンをお腹一杯食べた後だったにもかかわらず、


(美味しそうだなあ・・・)


なんて、つい思ってしまいました。
そうなんです。私は
大の甘党なのであります(^^)



辛いものよりも甘いもの
しょっぱいものよりも甘いもの
酸っぱいものよりも甘いもの
苦いものよりも甘いもの
甘辛いものより甘いもの・・・(←もうエエちゅうねん!)




と、ばかりに、私は甘いものが大好きなのです!
なので、美味しそうなケーキを見た瞬間、


(買って帰ろうかなあ・・・)


と、さっき
味噌ラーメンをたらふく食べたばかりにもかかわらず、私の心は大きく揺れました。
私の心の中にひそむ
悪魔は、


<悪魔>(買って帰れよ!ケーキの1個くらい、食べられる!食べられる!)


とささやいていましたが、それとは反対に、私の心の中の
天使は、


<天使>(駄目! さっき夕食を食べたばかりでしょ?間食したら太るわよ!)


と反論していたのです。

私はお店の前で、
「入るべきか、それとも入らざるべきか・・・」で思案していたのですが、おそらく店先で悩む私の姿は、地元の方にとっては、怪しい者に写っていたかもしれません・・・(^^;

私の心の中の悪魔と天使の戦いは、なおも続きました。



<悪魔>(ケーキの1個くらいで太らへん、太らへん!いける!いける!)
<天使>(誘惑に負けちゃ駄目!ケーキって、カロリー高いのよ!)
<悪魔>(ひっひっひ。食べちゃえ、食べちゃえ!)
<天使>(さっき味噌ラーメン食べたでしょ?もうお腹一杯でしょ?だから駄目!)
<悪魔>(夜食に食べればええやんか・・・。ひっひっひ。)




(そっか・・・、夜食に食べればいいのか・・・)



私は、
大阪弁の悪魔がささやく「夜食」という言葉に、完全に揺れ動かされました・・・。

そして、何と!気がつけば、
私はケーキ屋さんの中に既に入っていたのです(>_<)

大阪弁の悪魔の完全勝利でした・・・。


「いらっしゃいませ〜」


店内に入ると、若い女性の店員さんが、愛想良く声をかけてくれました。
私も「こんばんは〜」と返しましたが、ここでふとある重要なことに気づきました。



(待てよ・・・。まさかケーキを1個だけを買うわけにはいかないよなあ・・・)
(だって恥ずかしいぞ〜、ケーキを1個だけ買って買える男なんて・・・)
(う〜ん・・・、どうしようか・・・)
(よし!取りあえず2個買っておいて、1個は明日の朝に
朝食として食べよう!)



私は、
悪魔のささやきを肯定するために、「朝食にケーキ」という大冒険を念頭に入れ、「ティラミス」(好きなんです^^)とプリンとスポンジを何層にも重ねた「プリンケーキ」の2つを注文しました。

すると、何と!何と!
女性の店員さんが、


「宜しければ、もうケーキ2個、サービスします!」


と、言うではありませんか!!


「えっ? えっ〜??」


なんて、私が驚きの声を発すると、そのケーキ屋さん、実はその日がオープン当日だったらしく、
「モンブラン」「いちごのショートケーキ」の2つをサービスしてくれるというのです!


(いやあ〜、何て気前の良いケーキ屋さんなんだろうか!常連になりたいわ!)


なんて、咄嗟に思いましたが、わざわざ大阪からケーキを買うためだけに、福島まで行けるはずもありませんよね(^^;
でも、ほんと良心的なお店ですよね。素晴らしいなと思いました。

しかしです!
「無料サービス」という大阪人が喜びそうなフレーズを聞き、嬉しさの余り、私は完全に我を忘れてしまっていましたが、よく考えてみれば、私は一人でホテルに宿泊しているのです。
ですので、
ケーキを4個も部屋に持って帰っても、それを食べる人間が私しかいないのです。
おまけに、ボリュームまんてんの
「味噌ラーメンセット」をたらふく食べた直後ですから、その直後にケーキを4個も食べられるはずがありません!

しか〜し!
笑顔でケーキを箱に入れているキレイな女性店員さんの笑顔を見ていると、やっぱり、
男としては、「要りません!」とは、口が裂けても言えません!!!
いつの時代も、
男性は女性の笑顔に弱いのです!(笑)

なので、私は、

「ありがとうございます!」

と言い、結局ケーキを4個も持ちかえることになりました。

しかもです!!!
そのサービスケーキの他に、「オープン記念」ということで、小さな羊羹までくれるではありませんか!


(まさに、至れり尽くせり・・・)


私は、思わず心の中でそう呟きました。

こんな風に、ケーキを4個も持ちかえった私は、そのままフロントに向かったのですが、そこで重要なことに気づきました!


(ケーキを食べるスプーンをもらうのを忘れてた!!!)


ショートケーキ類はまだしも、古代人のように、まさか
「ティラミス」を手で食べるわけにはいかず(汗)、私はかなり焦りました。
そこで、ホテルのフロントに、

「何か使い捨てのスプーンみたいなものはないでしょうか?」

と、尋ねたのですが、そういうものはホテルにはないらしいのです。
なので、フロントの女性が気をきかせてくれて、ホテルのレストランからスプーンを借りに行ってくれました。
フロントの女性が持ってきてくれたスプーンは、コース料理を食べる時に使うような感じのキラッと光る上等なスプーンでした。

(私の食いしん坊のために・・・、こんな上等なスプーンをすいません・・・)

私は恐縮しながら、そのスプーンを受け取り、ようやく部屋に戻りました。


私が宿泊した部屋には、幸い冷蔵庫が付いていたので、まずはケーキを冷蔵庫に入れて保管しました。
そして、この4個のケーキ達をどうするか考え始めました。


(この4個のケーキをどう食べようか・・・)


私は自問自答を繰り返しました・・・。
味噌ラーメンで既にお腹一杯の現状では、到底ケーキを食べることは出来ません・・・。
ついつい美味しそうなのでケーキ屋さんに入ってしまいましたが、冷静になってよくよく考えると、今のお腹の状態で、ケーキを食べようと考えたこと自体に無理があったのです・・・。

私の心の中の天使は、

(天使)「だから言わないこっちゃない!折角買ったのだから、責任もって食べるのよ!」

と、突き放しますし、また心の中の悪魔は、

(悪魔)「俺、し〜らない」

と、そっぽを向いています・・・。

私は今更ながらケーキを買ったことを
後悔しましたが、「後悔先に立たず」のことわざにあるように、もう今となってはどうすることも出来ません。
なので、私は次のように考えました。


(取りあえず、お腹が減り次第、夜食に2個食べて、そして、翌朝に2個食べよう・・・)


明日の朝にはホテルをチェックアウトするため、ケーキの入った箱を持ちながら移動する訳にもいかないので、ケーキを食べるための時間は、今夜か翌朝しかありません。
そのため、私は、
「夜2個・朝2個ケーキ完食計画」という、壮大な計画を立てたのです。
だって、折角もらったケーキを捨てるなんて出来ないですよね?
なので、私は必ず
完食しようと、その時、心に誓ったのです。

私はホテルの部屋に1人でいるにもかかわらず、



「私はケーキを完食します!」



と、
高らかに声をあげて宣言したのです!(←1人で怪しすぎる・・・^^;)


そして、
「ケーキ完食宣言」をした数時間後・・・。
お風呂を入り終えて、テレビを見ながらくつろいでいた私は、ようやくお腹の
味噌ラーメンのダメージが消えかけてきたので、取りあえずケーキを1個食べることにしました。
最初に食べたのは、もちろん大好きな
「ティラミス」です(^^)
味もなかなか美味しいもので、アッと言う間に私はティラミスをたいらげました。


「この調子やったら、2個は楽勝やなあ・・・」


私は、他に誰もいない部屋にもかかわらず、一人でそう呟きました。(←怪しい^^;)
また、夕食に味噌ラーメンをしこたま食べていたにもかかわらず、この時点ではまだお腹に多少の余裕があったため、「ティラミス完食」に気を良くした私は、続けざまに次の
「プリンケーキ」を食べ始めました。


「おっ、いける、いける!」


胃の調子が良いのでしょうか、私はプリンケーキも速攻でたいらげ、これで
「夜2個・朝2個ケーキ完食計画」の前半部分は見事クリアしたのです。

しかし、ここで私に
一つの不安が生じてきました・・・。


(はたして、朝にケーキを2個も食べられるのだろうか?・・・)


私は、自らが立てた完璧な「夜2個・朝2個ケーキ完食計画」に対し、不安を抱き始めたのです・・・。
普段から、私は朝ご飯を食べない悪い習慣がついていおり、朝にケーキを2個完食できるかどうかが非常に不安になってきました。


(朝にケーキはさすがにツライだろうなあ・・・)
(それもモンブランやで?)
(おい、食べられるかおい?)<←アントニオ猪木風(笑)>



私の中で自問自答と様々な葛藤を繰り返したのですが、結局、私は、



(よし!それなら、こうしよう!)
(今のお腹の調子なら、あと1個は食べられそうだから、取りあえずあと1個は今食べよう)
(そして、明日の朝に残り1個なら十分に食べられる!)




高らかに「ケーキ完食宣言」をした私としては、何とかして残り2つのケーキを食べきろうと考えていたのですが、当初立てた「夜2個・朝2個ケーキ完食計画」という完璧な計画をここで破ろうと考えたことが、後々に私を苦しめる結果となってしまったのです・・・。


私は、残り2個のケーキの内の
最大の難敵である「モンブランを冷蔵庫から取りだし、一気にそれを食べ始めました。
しかし、このモンブランが大きいの何の!
食べた始めた直後に、
「しまった!予想以上にボリュームがある!!」と気づいたのですが、既に後の祭りです・・・。
食べても食べても、山のようにそびえ立つ
「モンブラン」の牙城は崩れません・・・。
でも、一旦食べ始めたものを残すわけにはいかず、私は何とか必死にモンブランに食らいつきました。


(チェストー!!)<←薩摩隼人の掛け声>


ここで言うようなセリフではありませんが(笑)、私は心の中でそう叫び、そして、ようやく
「モンブラン」を完食したのです!



「やっと完食した・・・。キツかった・・・」



私は、何とか
今夜のノルマを食べ終え、またまた一人でそう呟くと、もう完全にお腹も一杯になっていたので、そのまま眠ることにしました。
夕食には
「味噌ラーメンセット」、夜食には苦しいながらも「ケーキ3個」を食べ終え、私はようやく就寝したのですが、悲劇は夜中の午前2時頃に起こったのです・・・。




(グルッ・・・。グルグルグル・・・)




夜中の2時頃、私の胃から
異様な音が聞こえると、私は余りの気分の悪さに目を覚ましました。

私の胃の中で、
「味噌ラーメン」と「ティラミス」、「プリン」、「モンブラン」の3個のケーキ」が複雑に絡み合い
「言葉では言い表せない、恐ろしい化学変化」を起こしていたのです・・・。



(き・・・気分が悪い・・・。ウェッ・・・。ウェッ・・・)
(注)お食事中の方、ごめんなさい!




夜中の2時にもかかわらず、私は余りの気分の悪さに、ベットの上を転がりました・・・。



「ウェッ〜・・・」
「やっ・・ぱり・・・、夜は2個だけにしといたら良かった・・・。」
「ガクッ・・・」




私は、ものすごく気分が悪くなる中、またまたホテルの部屋で、一人そう呟きました。
そして、その後・・・、私は
1時間半も眠れなかったのです・・・(大汗)。


経験者が語りますが、皆さん、
「味噌ラーメン」と「ティラミス」と「プリン」と「モンブラン」は食べ合わせが悪いので、どうぞ気をつけて下さいね・・・。

と、言うか、それ以前の問題だろ!(←1人突っ込み・・・^^;)

ちなみに、翌朝、最後の「イチゴのショートケーキ」が喉を通らなかったのは、言うまでもありません・・・。
私の
「ケーキ完食宣言」は、見事、失敗に終わったのでした。
ガックリ・・・。
平成15年10月2日(木)<晴れ> 「通勤途中の大追走劇!」

眠い、眠い。。。

この日は朝から寝不足で少しダウン気味でした。
昨日の夜は遅くまでビデオを見ていたので、寝床についたのが深夜の午前2時30分過ぎ・・・。
翌日仕事がある日の夜中に、ビデオなんてほんと見るものではありません(苦笑)。
えっ?何のビデオを見てたのかって?
映画とかではなく、1日の水曜日にTBS系列で放送されていた「SASUKE 2003秋」という、筋肉・スポーツ自慢の人間が、自らの体力の限界に挑戦して、様々な難コースにチャレンジするという、いわゆる素人参加スポーツ番組なのです。(皆さん、ご存知ですか?)
この番組、私はいつも楽しみに見ていまして(^^)、この日は少し用事があって生で放送を見ることが出来ず、自宅でタイマー録画していたものを深夜に見たのです。
しかし・・・、山田勝巳、何であんなミスするかなあ・・・。(って、番組見た人にしか分からない話ですね^^;)

さて、そんなこんなで、翌朝の木曜日の朝は
完全に寝不足状態・・・
まるで、まぶたに接着剤をベットリと塗られたかのように、朝起きると目がまったく開かないではありませんか(汗)。
でも、「すいません!夜中にビデオを見てたので、今日は休みます!」なんて、職場に言えるはずもなく・・・、私は重いまぶたを何とかこじ開けて、やっとの思いで起床し、いつものように地下鉄に乗って職場へと向かいました。


私の職場は大阪府の北方にあるため、地下鉄で大阪の中心街である「梅田駅」まで行き、そこから「阪急電車」という私鉄に乗り換える必要があります。
いつものように、私が地下鉄の梅田駅で下車した後、阪急電車の乗り場へ向かって歩いていると、
向こうから猛ダッシュで走ってくる一人の女性がいたのです。

グレーのパンツスーツに肩から小さなショルダーバックをかけている姿は、おそらく会社勤めのOLさんでしょうか、そんな女性が、ものすごい勢いでこちらに向かって走ってくるのです。


(あの女の人、すごく急いでるなあ・・・)


私はこちらに向かって走ってくる女性を見て、漠然とそう思ったのですが、いかんせん寝不足で頭は回っていない上に、体もすごくダルかったので、そんな事を別段気にも留めず、そのまま駅の方に向かって歩いていこうとしたのですが、向こうからダッシュで走ってくるその女性の勢いは止まりません。

その女性は、まるで
宮崎駿のアニメ映画『もののけ姫』に出てくる「タタリ神」のように、恐ろしい勢いでこちらに向かってくるのです!



「タタリ神よ〜! 鎮まりたまえ〜!!!」(by アシタカ風^^;)



な〜んて、そんなことを通勤でごったかえす駅の側で言ったら、確実的に「おかしな人」と間違われそうなので(汗)、そんなことを言えるはずもなかったのですが、私がそんなくだらない想像をしている間も、その女性はものすごい勢いで突進してくるのです。


(何を急いでるんやろ?? 遅刻かな?)


と、私が眠い目をこすりながらそう思った瞬間、その女性は私の横を通り過ぎると、左に曲がって1階に上るエスカレーターを上がろうとしました。


その時です!

タタリ神、いやその女性(笑)のポケットかカバンからかはよく見えなかったのですが、
「ボトッ」と地面に何かが落ちるのが見えたのです!


(アッ・・・)


私は小さな声でそう呟くと、その女性が落としたものを拾いに行ったのですが、見てみると、何と
「定期券入れ」ではありませんか!
私はすぐに、


「すいません! 落ちましたよ!」


と声をかけたのですが、その女性は私の声に気付くこともなく、エスカレータを一気に駆け上っていきます。
私はもう一度、


「すいませ〜ん!!! 落ちましたよ!!!」


と、寝不足ながらも大きな声で叫びましたが、その女性は気付かないどころか、エスカレータをどんどん上っていくのです。


(アッ・・・、アカン。 あの人、気付いてないわ。 追いかけな・・・)


私は咄嗟にそう思い、その女性を追いかけるため、エスカレータを上ろうとしたのですが、いかんせん寝不足である私が、急に「運動モード」に体のスイッチが入れる訳がありません!(泣)
それでも、私はその女性が遅刻しているから急いでいるのだろうと考え、定期券が無いと困るだろうなと思い、寝不足の体にムチ打って、必死にエスカレータを駆け上り、その女性の後を追いかけました。


(あれ・・・? どこに行ったんやろ??)


エスカレータを登り終えた私は、一瞬その女性を見失ったのですが、前方50mほど先にダッシュしている女性をようやく発見しました!
私は再び、


「すいませ〜ん!!!」


と大きな声で叫んだのですが、その女性はまったく気付かないのです。
私はその女性がものすごく慌てて走っている様子を見て、


(もしかしたら、大遅刻しているのかな? 仕方ない、追いかけるか!)


と思い立ち、その女性を追いかけるべく、私も小走りに走り始めました。
ものすごく遅刻をしているのに、定期券が無いと余計に困るだろうと私は推測したからです。
しかし、そんな優しい心を持つ私に(←自分で言うな!^^;)、
一つの大きな不幸が襲いかかったのです。


実は、私はこの日の仕事帰りに図書館に本を返しに行くつもりだったので、私のカバンの中には、
分厚い歴史の資料本が何と3冊も入っていたのです!!!
重さの単位に換算するなら、おそらく3キロ弱はあったかもしれません。
寝不足の上に、ズッシリと重い3冊の本・・・。
当然、私は普段の走りが出来るはずもありませんでした(大汗)。


(こういう時に限って、こんなに荷物が重いとは・・・)


私は肩にくい込む重さに耐えながらも、私は逃げる、いやその女性は逃げている訳ではないのですが(笑)、私から見れば逃げている女性を追いかけ始めたのです!

しかし・・・。


(ハァ・・・、ハァ・・・、ハァ・・・)


追いかけだしても、私とその女性との差がなかなか縮まりません・・・。
私は自分では足が速い方だと思っているのですが、その女性は非常に身軽な格好をしている上に、また明らかに一般成人女性と比べても、
ものすごく足が速いのです!


(ハァ・・・ハァ・・・。 あの女の人、元陸上部か???)


私は息切れしながらも、そんな事を想像していたのですが、ここでもう一度大きな声で、



「そこの走っている人、すいませ〜〜ん!!!」



と、叫んだのですが、
タタリ神と化して暴走しているその女性は振り返るどころか、その勢いはまったく衰えないのです!

また、あろうことか、「そこの走っている人、すいませ〜ん!」と大きな声で叫んでいる私自身が走っているので(笑)、周りにいた通勤途中の人達は、


「あんたが走ってるやないの!」


と言いたげな目をして、私に冷た〜い視線を突き刺すではありませんか!(汗)

また、もしかすると、私は
「ふられた彼女を追いかけている!」と思われていたのかもしれません・・・(@@)



(こんな朝早よから誰がフラれるか!!!)



なんて、私は誰もそんなことを言われてもしていないのに、勝手にそんなことを想像し、かつ誰に対して怒っているのかさえもはっきりしない逆ギレを起こしていました。
それほど、私の体力は限界に来つつあったのです・・・。
肩にくい込む荷物、そして寝不足・・・。


(何で、こんな寝不足な日に限って、朝からジョギングしないとアカンのか・・・)


私は心の中でブツブツ自問自答しながらも、走り逃げるその女性が定期券が無くては電車に乗れなくて困るだろう・・・、との思い一つで懸命に走っていたのです。
私は何とかもう一度力を振り絞り、「つぶちゃんターボ」(←めったに使いません・笑)を全開にして、往年のカール・ルイスばりの「腕振り」と「もも上げ」をしよ・・・うとしたのですが、出来るはずもありません(滝汗)。
でも、私はその女性を追いかけ続けました。



(ハァ・・・。 この方向から行くと、多分・・・、あの女の人、「阪神電車」に乗るつもりやわ・・・。 ハァハァ・・・。)



私は息が絶え絶えになりながらも、再び地下街に降りるその女性の姿を見た瞬間、阪神電車の改札口が近づいてきたので、そう思いました。
そして、

(ゴールはもう間近だ!)

なんて思って最後のスパートをかけたのですが、女性の後を追いかけて地下街に下りると、女性は阪神電車の駅とは反対方向の
「ホワイティ梅田」という地下商店街の方に曲がって行くではありませんか!



(あれ???)



私がそう疑問に思った次の瞬間、私は
恐ろしい光景を目の当たりにしたのです!!!






何と!その女性は駅へは向かわず、朝から営業しているカフェ(喫茶店)に入ったではありませんか!!!!(絶叫)






(ガビーーーーーーーーーーーーーーーーーーン)
(な・・・何や? 朝ご飯食べるためにあんなに走ってたの????)




私は恐ろしいくらいの
大きな脱力感に見舞われました・・・。
タタリ神化して走っている女性が、てっきり遅刻しているから慌てているのだと思って、必死でここまで追って来たのに、その女性が
あろうことかカフェに入ったのですから!!!



「ハァ・・・ハァ・・・。朝ご飯食べるために、あんなにダッシュで走るなよな・・・。元陸上部め・・・。」
(↑勝手な思い込みです・笑)




私は肩で息をしながら、そう呟いたのですが、その時ふと閃きました!


(そっか! もしかしたら、あの元陸上部は、誰かと待ち合わせているのかもしれないなあ・・・)
(待ち合わせの時間に遅れそうなので、あんな勢いで走っていたのかも!)



と、私はその女性を疑ってはいけないと思い直し、もう一度優しい気持ちを取りなおして、そのカフェの中に入ったのですが、そんな私の「優しい気遣い」は、
元陸上部女性の放ったダイナマイトで粉々に爆破されてしまったのです!!!





何と、元陸上部女性は、カフェの店内で、鼻歌交じりに、「焼きたてのパン」を選んでいるではありませんか!!!!!!






(ガチョーーーーーーーーーーン!!!)
(や・・・や・・やき・・・焼きたてのパンが食べたいがゆえに、おぬしはダッシュしてたのかあああああ〜〜〜〜)<大絶叫>






(終わった・・・。俺の優しい気遣いは全て終わった・・・)




私は、カフェの入り口付近に立てられていた
「焼きたてのフランスパン」で後頭部を思いっきり殴られたようなショックに見舞われました・・・。
私は疲労と情けなさで体がプルプル震えながらも、その女性に近づき、



「ハァハァハァ・・・。これ落としましたよ・・・。」



と、その女性に定期券を差し出しました。
すると、その女性は、


「あっ、すいませ〜ん。ありがとうございます!」


と、元陸上部女性はまったく息切れもしている様子もないばかりか、こんな簡単な返答しか返って来ず、すぐに
「焼きたてのパン選び」に戻ったのです・・・。



私は、こんな
「食いしん坊女性」のために、寝不足で荷物が重いにもかかわらず、ここまで必死に追いかけてきたのかと思うと、自分が何とも言えない哀れに感じてしまいました・・・。





(ああ、無情・・・)





その時、私の頭の中に浮かんだ言葉です(自爆)。

そしてまた、あろうことか私は、その女性に
「どういたしまして」と返答するところを、何を血迷ったのか、余りにも疲れて息が絶え絶えになっていたので、



「どういたまして・・・」



と、「し」が抜けてしまう情けない返事を返したのです(><)


皆さん、早朝に急いで走っている人を見かけた場合、その人が「食いしん坊」かどうかを見極めてから、後を追いかけて下さいね。
あ〜疲れた。ガクッ・・・。
平成15年8月23日(土)<晴れ> 「火曜サスペンス劇場的な朝食?」

私は夏が大好きです!

と、何だか旅行代理店のキャッチフレーズみたいなことをいきなり書いてしまいましたが(笑)、私は一年の中でも、夏という季節が一番好きです。
普段は結構「暑い、暑い!」を連発するタイプではありますが、それでも暑さに耐える力は人並み以上に優れていると自負しています!
真夏の炎天下の中、旅先ではレンタル自転車を借りて、何十キロも走ることはざらですからね(^^)

私だけではないと思いますが、夏という季節は、人間を活動的にしてくれますし、何かと活発化させる季節ですよね。
寒さに弱い僕の場合、冬は出不精になって、どこにも行きたくなくなります・・・(汗)。
そして、もう1つ。
私が何よりも夏を好むのには、大きな理由があります。
毎年の夏、いつも私は旅行に出かけています。
「夏=旅行」、「旅行=夏」という感じでしょうか。
なので、夏が近づいてくるとワクワクしてきて、自然と夏が大好きになったのでしょうね(^^)

毎年の夏、私は2回は必ず旅行しているのですが、今年の夏の1回目の旅行は、7月30日から8月3日まで、最近は恒例行事となりつつある鹿児島旅行に出かけました。
そして、2回目。
「あともう一回どこかに行きたいな・・・」と考えた結果、今年の夏の2回目の旅行は、8月22日(金)から23日(土)の1泊2日で、東北の福島県に行くことにしました。
1泊2日と言っても、それとは別に「バスの車中泊2日」がありますので(笑)、実質的に拘束時間はもっと長いものです。

21日の木曜日の夜から大阪を出発し、22日は福島県白河市で1泊。
帰りは23日の土曜日の夜に、福島県の郡山からバスに乗って大阪に帰るという、2回目の旅は少し慌しいスケジュールとなりました。
でも、いつもそうですが、旅行の前はワクワクするものですね(^^)
今回の福島旅行も、高鳴る気持ちに胸を弾ませながら、21日木曜日の夜、福島県郡山行きの長距離夜行バス「ギャラクシー号」へと乗り込みました。


しかし・・・、この日乗ったバスの座席は、ほんとツイていませんでした・・・。
長距離の夜行バスに乗られたことのある方はお分かりだと思いますが、夜行バスの座席は、普通の観光バスのように通路を挟んで席が2つずつある、つまり4列シートではなくて、座席が3列に並び、その間に通路が2つある3列シートになっているのです。
ですので、隣に人が座ることもなく、座席も十分な余裕がありますので、なかなか過ごしやすいものなのですが、この日乗った福島行きの「ギャラクシー号」の座席は、いつもの3列シートではあったのですが、2階建てバスになっており、乗客は2階に座り(一部は1階)、トイレが1階に設置されていたのです。
トイレが1階にあることについては全然支障はないのですが、私が座った席は、1階に降りる階段へと繋がる、バスの進行方向右側の通路側の席ではなく、反対の左側の窓側の席だったのです。
(下記「バス内配置図」を参照)
(画像)バス配置図

つまり、私が座った席から1階のトイレに降りるためには、真ん中の列のシートを通るなり、跨ぐなりして、横切って右側の通路へと出なくてはいけないのです。

しかし、この日のバスは乗客で全て
満席状態・・・。
真ん中の列のシートで、どこか空いている座席を通って、右側の通路に出る訳にもいきません・・・。
しかも、私の隣りの真ん中のシートに座る人は、
若い女性で、なおかつ車内が消灯前にもかかわらず、もう既に熟睡しているではありませんか!!!
(まだ午後8時過ぎなのに^^;)

(う〜ん・・・、こっち側の列の席はトイレに行きづらいなあ・・・)

と、私が心の中で思っていた時、車内に次のような案内アナウンスが流れ始めました。



「左側の座席のお客様がトイレなどに行かれる場合には、恐れ入りますが、真ん中の列のシートのお客様、ご配慮して頂きますようお願いいたします。」



(おいおいおい!! 隣りの女性は既に夢見心地で、そんな事聞いてないちゅうねん!!!)


私は心の中で、そのアナウンスに突っ込みました。

しかし、このバス会社、少し不親切だと思いませんか?
「トイレ完備」とうたっているのなら、左側の座席の人達が右側の通路に行くための空きスペースをやっぱり作るべきですよね?
例えば、真ん中の列のシートの座席をわざと1つだけ空席にしておいて、そこを通路のようにして通れるようにするとか?
だって、11時間以上も走る長距離バスなんですから、それくらいの配慮が必要だと思いませんか?
バスの案内アナウンスを聞いた私は、心の中でついつい次のような呟きをしてしまいました。



(もし、夜中に急にトイレに行きたくなったらどうする???)

(夜中に、眠っている隣りの女性を起こして、)

「お嬢さん、丑三つ時にすいませんが、トイレに行きたいので通してくれませんか?」

(って、言うの? そんなの出来る訳ないわなあ・・・<ため息>)

(じゃあ、勝手に黙って、女性をまたいで通る?)

(またげる訳ないよなあ・・・、だって女性やし・・・)

(もし万が一、僕がまたいでいる時に、女性が目を覚ましたりしたら・・・)

「キャー、チカン!!! あなた何するのよお〜〜!!!」

(なんて、叫ばれたらどうする?? 人生終わっちゃうぞ・・・)



と、こんなくだらない事を心の中で自問自答しながら、結局は、

「水分を極力摂らないようにして、一度もトイレに行かない大作戦」
(↑長い^^;)


を敢行せざるを得なくなりました。

僕って、普段から結構水分を多く摂るタイプなので、こういう「持久戦」は正直ツライんですよねぇ・・・。
また、今回は一人旅でしたから、誰かと話して時間を潰す訳にもいかず、お菓子を食べるか、それともジュースでも飲むか、それくらいしか楽しみがなかったのです。

その最大の楽しみすら奪われた私は一体、
「どうしたら、良いのでしょう〜か?」
(昔の番組「三枝の愛ラブ爆笑クリニック」より)<←誰も分からん!!!汗>

と、言う訳で、私の選択肢は、もう
「寝る」しかありませんでした・・・。(ガックリ)


とまあ、こんな小ハプニングがありながらも、結局は「水分を極力摂らないようにして、一度もトイレに行かない大作戦」が功を奏して、夜中にトイレに行きたくなることはなく、翌22日(金)の朝7時15分、無事に福島県郡山市に到着しました。
その後、私はバスで福島県田村郡三春町に向かい、次に福島県白河市へと到着し、その日は白河で1泊。
この間の歴史探訪につきましては、また、サイト内の真面目な部分(笑)で書きますので、ここでは端折りますね。


そして、一夜明けた8月23日の土曜日の朝のことです。
(長らくお待たせいたしましたが、ここからが本題です^^)

私が宿泊したホテルは、新白河駅前のビジネスホテルでした。
私は旅行に行く場合、いつも素泊まりで、夕食や朝食などは一切付けずに宿泊するのが普通なのですが、私が今回泊まったビジネスホテルには、
「朝食バイキング」が付いた値段がお得な宿泊プランがあったので、今回はそのプランで宿泊していました。

この日は朝から「白河の関所跡」に行くつもりでしたので、朝の6時過ぎに起床した私は、さっさと出発準備を整え、朝食バイキングを食べるために、朝の7時にフロントでチェックアウトを済ませ、1階のレストランへと向かいました。
ビジネスホテルの「朝食バイキング」ですから、そんなに凝った料理は並んでおらず、いたってごく普通のおかずが並んでおり、和食と洋食のどちらでも選んで食べることが出来るシステムになっていました。

私は、バイキングだから「食べなきゃ損損!」とばかりに、並んでいるものを一通り皿に取り、「和洋折衷」の朝食にしました。

ご飯、お味噌汁、納豆、海苔、冷やっこ、焼きシャケ1切れ

など、和風のものを一揃えと、

焼いたウィンナーソーセージ1本、シュウマイ2個、野菜サラダ

と、洋食用に作られていたおかずを両方取り、空いている席に座りました。
あっ、大阪人の私でも「納豆」は食べますよ!
納豆は結構好きな方なのです(^^)

1階のレストランはなかなかキレイでした。
落ち着いた内装の店内に、BGMとしてピアノの曲が流れ、私が席についた時には、ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーの名曲『エンドレスラブ』が流れていました。

「なかなか良い雰囲気やなあ〜♪」

私は、店内を軽快に流れてくるBGMに心を和ませながら、朝食を摂り始めました。

『エンドレスラブ』の次は、懐かしのギルバート・オサリバンの『アローン・アゲイン』が流れてきて、私は非常に心地よい気分で食事を摂っていたのですが、その『アローン・アゲイン』が流れ終わった後、突然!!!、こんな和やかな朝食の場には相応しくない、
あるメロディが流れてきたのです!




「デーデーデ〜〜〜ン デーデーデ〜〜〜ン!!!」




「な・・・何や????」

私は一瞬、自分の耳を疑いました。
名曲『アローン・アゲイン』が終わった後に流れてきた曲とは、あの



『火曜サスペンス劇場のオープニングテーマ曲』だったのです!!!

(どんな音楽かを聴きたい方は、
こちらをクリック!←音楽が流れます^^)


曲をお聴きになれば、皆さん一度は聴いた事があるのではないでしょうか。
毎週火曜日の夜9時から日本テレビ系列で放映されている、『火曜サスペンス劇場』のオープニングで流れるあの曲が、突然レストランに鳴り響いたのです!!!

今まで『エンドレスラブ』や『アローン・アゲイン』などの優しく、心地よいメロディが流れていたのに、急に打って変わったように、その場には相応しくない、何だか事件が起こりそうな感じのする『火曜サスペンス劇場のオープニング曲』の最初のサビの部分、


「デーデーデ〜〜〜ン デーデーデ〜〜〜ン!!!」


という、けたたましい音楽が流れてくるではありませんか!

それも、流れてきた『火曜サスペンス劇場のオープニング曲』は、そのままその音楽の続きが流れるのかと思いきや、最初のサビの「デーデーデ〜〜〜ン デーデーデ〜〜〜ン」の部分だけ終わってしまったのです。


(い・・・一体、何や??? 殺人事件なんか起こってないぞ??)<←バカ>


私は、突然流れてきた朝食の場には似つかわしくない音楽に、それも
火曜でもないのに(←くだらない事を言ってすいません^^;)、『火曜サスペンス劇場のオープニング曲』が流れてきたことに、驚きを隠し得ませんでした。

しかもです!!!
何とあろうことか!!!
『火曜サスペンス劇場のオープニング曲』のサビ部分が流れ終えたそのすぐ後に、何と!!!


『火曜サスペンス劇場がCMに入る時に流れる短い曲』
「チャラララ チャララ チャーラ〜〜〜♪」(←分かります?笑)


というメロディも流れてきたではありませんか!!!
(この音楽を視聴したい方は、こちらのサイトでどうぞ!)



「何や、何や??? 今からCMか????」<←再びバカ>


私はこんなバカなことを考えながらも、
火曜でもないのに(←またまたしつこくてすいません^^;)、続けさまに流れる『火曜サスペンス劇場』のヒットパレードに、一瞬耳を疑いました。
しかも、CMに入る時に流れるメロディまでが流れてくるとは・・・。


(何でこんな音楽が流れるの?・・・)


私は手に持っていた味噌汁を飲もうとすることを一瞬止め、耳を澄まして、その次に流れてくる曲に全神経を集中していたのですが、次に流れてきた曲は、ビートルズの『レット・イット・ビー』でした。


(ガクッ・・・)


拍子抜けとはこのことです。
急にBGMがまたキレイなメロディに変わったので、私は先程流れて来た『火曜サスペンス劇場』の2曲は一体何だったんだろう??と、ものすごく気になりだしました。



(う〜ん・・・、ホテルの人が『火曜サスペンス劇場』が好きで、わざと流したのかな??)

(いや、それにしても、そんなホテルある訳ないわなあ・・・。う〜ん・・・)



と、考えていたところに、
妙案が浮かびました!



(あ〜!!!)
(まさかこのホテルに、『火曜サスペンス劇場』で人気爆発のコンビ、片平なぎさと船越英一郎のコンビが泊まっているので、サービスで流してみたとか?)

<↑完全にバカです・・・^^;>



こんな馬鹿馬鹿しく、まったくあり得ないことを想像してしまった私でしたが、一応念のために、1階のレストランに、
片平なぎさと船越英一郎が座っていないかどうかだけ、ぐるっと見渡して確認していた自分自身がいた
ことだけは、ここで告白しておきます(笑)。


と、こんなBGMのハプニングはあったのですが、その後のBGMはまったく普通のメロディに戻りました。

(あの曲は一体何だったんだろう・・・?)

と、釈然としない気持ちではいたのですが、私は何事もなかったかのように、また引き続き朝食を摂り続けました。

しかし、その後、私の想像を絶するような
「恐ろしい偶然」が起ころうとは、その時の私は予期出来るはずもなかったのです・・・。



私は、朝から食欲旺盛で、ご飯をおかわりしてモリモリと朝食を食べていました。
一番最初にも書きましたが、私は関西人であるにもかかわらず納豆が好きな方で、冷奴用として店内に置かれていたネギのみじん切りを、納豆用として席に持って行き、納豆とネギを合わせてグルグルグルとかき回し始めました。
皆さん、知ってますか?
納豆を食べる時は、先に醤油を入れてかき回しては駄目ですよ!
先に納豆をよくかき回して、十分に糸をひかせてから醤油を入れた方が、より一層納豆を美味しく頂けるのです。
<ちなみに、これはマンガの『美味しんぼ』から得た受け売りの知識です(笑)>
納豆をぐるぐるとかき回し、ほどよく糸がひいてきた瞬間、サッと醤油を投入し、これを温かいご飯の上にかけて食べる。
くうっ〜、朝の納豆は格別美味いですよね〜(^0^)

私はおかわりした2杯目のご飯に納豆をのせて食べていたのですが、皆さんも経験が必ずあると思いますが、
納豆のネバネバのせいで、箸が滑りやすくなり、おかずをなかなか上手くつかめなかったり、ツルッと滑ったりすることってありますでしょ?
実はこの時、私は納豆を食べていた箸で、
最後に食べようと楽しみに残していた最後のおかず

「焼いたウィンナーソーセージ」

を取ろうとしたのですが、納豆のネバネバのせいで箸が滑ってしまい、
ウィンナーが床に「ボトッ」と落ちてしまったのです!!!

たかだか「ウィンナー」のことですが、私は、最後に食べようと思って楽しみに残していたウィンナーだったので、
大きなショックを受け、ウィンナーが落ちた瞬間、年甲斐もなく、



「アッーーー!!!」



なんて、大きな声を上げたのですが、その瞬間、何と!!!店内のBGMに、




「デーデーデ〜〜ン デーデーデ〜〜ン!!!」




というあの『火曜サスペンス劇場』の曲が、再び突然響き渡ったのです!!!


(ええっ〜???????? うそ〜??????)


私は、
ウィンナーが床に落ちたタイミングと曲が流れたタイミングが、余りにも合っていたので、一瞬何が起こったのか分からず、言葉を失い、呆然としてしまいました。



(も・・・もしかして、今、床にウィンナーが落ちたから、曲が鳴ったのか???)

(床に落ちた・・・。 転落・・・。 死亡・・・?)

(ウ・・・ウィンナー殺人事件ということ?)<←大バカ>


(ウィンナーを殺した容疑者は、この俺と言うことか〜!!!)
<↑さらに大バカ>




こんなくだらないことを私は頭に浮かべてしまいましたが、その後、私はフリーズしてしまったパソコンのように、2〜3秒間、ピタッと動きが止まってしまいました。
そして、ようやく動き始めた私は、パニックに陥りました・・・。


(それとも・・・、偶然か・・・?)


恐ろしい偶然なのでしょうか、それとも・・・誰かの作為によるものなのでしょうか?
私は、
床に落ちて死亡してしまった「ウィンナーソーセージ」をジッーと見つめたまま、動くことが出来ませんでした。

そして、我を失っていた私は、またもバカな行動に出ました。


再びもう一度、店内に片平なぎさと船越英一郎が座っていないかどうかだけ、ぐるっと見渡して確認したのです(笑)。


当然ですが、二人が居るはずもありません。(←当たり前!!)

私はパニックに陥った頭を少し冷やすために、水をぐっと一杯飲み干しました。
その瞬間、恐ろしくバカげた想像をしてしまったのです!



(も・・・もしかして、僕が最後まで大事に残していた「ウィンナーソーセージ」が床に落ちてしまったのを見たレストランの店員さんが、その僕の悲劇を表現するために、あの音楽を流したのか・・・)


(ま・・ま・・・まさか・・・)



私はゆっくりと振り返り、店内を再び見渡しましたが、私が起こした
『ウィンナー殺人事件』を見て、BGMのボタンを切り替えたような店員さんはどこにも見当たりませんでした。

(う〜ん・・・)

私は頭をかきながら、冷静にもう一度色々と考え直していたのですが、そこに店内に新たに
一人のおじさんが入ってきました。
おじさんは、ご飯とお味噌汁、おかず一揃えを取り終え、私の斜め前の席に座ろうとしました。



その瞬間です!!

おじさんが席に座る瞬間、誤って箸を床に落としたのです!!!
おじさんは、その瞬間、
「アッ!」という小さな声を上げました。




(箸が落ちた・・・?)

(お・・・お箸殺人事件や!!!!!)




私は、そのおじさんの
「箸殺害現場」を見た瞬間、そんなくだらないことを咄嗟に考え、思わず「アッ・・・」と息を呑みました!!!



(来るぞ〜!!! 『火曜サスペンス劇場』の音楽が!!!!)


私は来るべく一瞬に備え、目をつむって、全神経を耳に集め、身構えました!!!!




しかし!!!!
『火曜サスペンス劇場』の音楽は、鳴りませんでした・・・。



おじさんは何事も無かったかのように、さっさと箸を拾い上げると、店員さんに箸を交換してもらい、新たな箸をもらって、鼻歌交じりにお味噌汁をすすり始めたのです。

おじさんが起こした
『お箸殺人事件』には、BGMは反応しなかったのです。

(やっぱり・・・、僕の場合は単なるものすごい偶然だったんだ・・・)

私は、ホッと胸を撫で下ろした瞬間、
『ウィンナー殺人事件』なんてことを考えたり、片平なぎさや船越英一郎を二度も探してしまった自分自身を、ものすごく滑稽に感じてしまい、思わず吹き出してしまいました。


(こんなにスリルのある朝ご飯は、生まれてこの方初めてやったなあ・・・)


私は込み上げてくる笑いを押し殺しながら、床に落ちて死亡した「ウィンナー」を拾い上げ、ゴミ箱に捨てて成仏させると、その後、レストランを後にしました。

でも・・・、今から冷静に考えてみても、何であんな音楽が二度も流れたのか?
う〜ん・・・、未だにあの謎は解明されずにいます(笑)。

平成15年6月21日(土)<晴れ時々曇り> 「まさかの大ドンデン返し!」
今日は土曜日で仕事もお休み。何だか休日は朝からウキウキするものですよね♪
私も今日は何だか目覚めが良くて、休みにもかかわらず、午前8時過ぎには目が覚めました。
折角の休日、朝からコーヒーでも飲みながら、スポーツ新聞を見たいなと思い立ち、一駅向こうの喫茶店にモーニングセットを食べに行くことにしました。

私が自転車でお目当ての喫茶店に到着すると、店内はほぼ満席状態。
みんな考えることは一緒なんだな・・・、なんて思いながら、入り口でスポーツ新聞を取って席に着くと、「モーニングセットB」(470円ナリ!)を注文しました。
Aセットは「コーヒー + トースト + ゆで卵」の3セットだけなのですが、Bセットには、サラダがもう一品付くのです。
普段野菜不足になっている私は、このBセットを注文しました。

私がモーニングセットを注文した直後、ある一組の男女のカップルが入ってきて、私の隣の席に座りました。
こんな光景は普通の喫茶店では当たり前のことだと思うのですが、私がそのカップルに注目した最初のきっかけは、その2人が、4人がけの席なのに、隣り同士に座ったからです!
分かりますよね?
つまり、向かい合わせで座るのではなくて、二人が隣りに座ったのです!
こんな座り方をするカップルを久しぶりに見たので、私も思わずスポーツ新聞越しにその二人を凝視してしまいました。

その二人は、この梅雨の蒸し暑い最中にもかかわらず、何と喫茶店内で腕まで組んで、ベットリと密着して、ラブラブ光線を発しているではありませんか!

新婚早々かそれとも付き合い始めたばかりのカップルでしょうか?

もう見ているだけで、私の着ているTシャツに汗がジワッとにじんできそうなくらいの密着ぶりで、そのアツアツぶりには、私も思わず眉間にシワを寄せてしまいました。


(このクソ暑い日に・・・、外でやれ!外で!)<←汚い口調で失礼!>


と、心の中で私は逆ギレを起こしていたのですが、そのカップルは喫茶店の店員さんが注文を聞きに来ると、


(男)「う〜ん・・・、何にしようかなあ?マユはどうする?」
(女)「マユは・・・、Bセットにする♪」
(男)「マユはBセットかあ。じゃあ俺もBにしちゃお♪」
(女)「やだあ〜、一緒の頼んじゃって!もう〜♪」
(男)「だって、マユと一緒のにしたいんだもん♪」
(女)「もう〜、シンちゃんは真似しぃなんだから♪」
(男)「いいやん!別に〜。一緒の食べよう♪」
(女)「シンちゃんたら、いっつも私と一緒のにするんだから♪」
(以下省略・・・)



と、こんなやり取りが長時間にわたって続きました・・・。
その会話を聞いていた私は、

(お前らみたいな奴らは、Bセットを食う資格がないわ!!!)
<↑汚い口調で失礼!>


と、訳の分からない、意味不明な逆ギレを心の中で起こしたのですが(笑)、二人のアツアツぶりは一向におさまりません。(←当たり前!)

そんなラブラブ光線をまともに受けていた私は、運ばれてきたBセットを食べ始めようとしたのですが、カップルのマユが(←呼び捨てにします・笑)、


「シンちゃん、あれがBセットよ・・・」


とシンちゃんに小声で言っているではありませんか!!!


(ほっとけよ!!一人やったら『Bセット』食ったらアカンのかいな!!!)
<↑汚い口調で失礼!>



私はまたまた意味不明の逆ギレを心の中で起こしたのですが(笑)、そのマユの囁きを聞いた男は、


「ほんまや。後で、あのサラダアーンしたるわ・・・」


とまたまた囁いてるではありませんか!!!


(『アーン』? 悪かったな・・・、アーンされずに一人で食ってて!!!)


私は心の中に訳の分からない炎がメラメラと燃え上がってくるのを感じたのですが、こればっかりは何も反論できません。
折角の土曜日の爽やかな朝なのに、何だか台無しにされたような気がしましたが、黙ってトーストを食べていると、カップルにも2つのBセットが運ばれてきました。

そして、予告先発、いや予告通り(笑)、マユはシンちゃんに『アーン』して、サラダを食べさせているではありませんか・・・。
シンちゃんはマユにサラダを食べさせられて、


「美味しいなあ♪」

なんて、ほざいているのです。<←汚い口調で失礼!>

私はそのシンちゃんのなよなよした姿に、


(ニッポン男児をどこに行く・・・)


と、心の中で呟きましたが、結局はただ単なる羨ましいだけの気持ちだったのでしょう(自爆)。

また、そのカップルの暴走はまだまだ続き、マユがシンちゃんのトーストを奪い取って、勝手に一口食べたのです。



(シン)「あっ〜!!マユ、俺のパン食べた〜!!」
(マユ)「ええやん、別に!同じパンやねんから♪」




二人は、まるでネコ同士がじゃれあうように、朝からモーニングセットをイチャイチャしながら食べているのです。



(パンちゃうわ!!トーストじゃ!!トースト!!)
<↑またまた汚い口調で失礼!>




私は完全に我を失い、ほんとうに意味不明な言葉を連発して、心の中で反撃を行なっていたのですが、いかんせん私に利はありません・・・。

そして、カップルの暴走はまだまだ続きました。
今度はシンちゃんが反撃に出て、マユの前にあった「ゆで卵」を奪い取って、


「エエイ!!」


と言いながら、マユの頭でゆで卵を割ったのです。


「痛いやん〜、もう〜!!」


マユは頭でゆで卵を割られたので、少しふくれっ面でシンちゃんに言いましたが、シンちゃんは「ヘッヘヘ〜」と自慢げに笑っているのです。


(あ・・・・アホらし・・・・・・)


私は大きな脱力感に見舞われたのですが、次の瞬間、その脱力感が一気に取れたのです!

ゆで卵を頭で割られたマユが、今度は反撃とばかりに、シンちゃんのゆで卵を奪い取り、「エエイ!」と言ってシンちゃんの頭で割ろうとしたら、何と!!!!!



それが『生卵』だったのです!!!!!!!!!!



当然、シンちゃんの頭には生卵の黄身と白身がぐっしょりと浴びせられました!



私はほんとうにビックリしました!!!!!!
まさかの大ドンデン返し!!!
いや、こんな間違いって、世の中にあるのでしょうか???
私は一瞬何が起こったのか分からずに、頭がパニックに陥りました。
だって、まさか喫茶店のモーニングセットのゆで卵が『生卵』になっているとは!!!




「ド・・・ド・・・ドリフのコントや・・・」
(↑ドリフターズのコントという意味です)




私は目を白黒させながら、思わず小声で言ってしまいました・・・。

マユもシンちゃんもその突然の出来事に驚いたのでしょうか、二人とも数秒無言だったのですが、マユちゃんがあろうことか、突然


「あ・・・ハハハハ」


と笑い出したのです。
笑うしか他に無かったのでしょうが、あろうことか、頭が生卵でぐしょ濡れになっているシンちゃんもまた、笑いだしたではありませんか・・・。
私はその姿を見て、思わず、


(お幸せに・・・)


と二人の将来を願ってしまいました(笑)。


その後、店長が出てきて、そのカップルに平謝りしていましたが、『ゆで卵』が『生卵』であることは、当然お店側の不手際以外の何物でもないのでしょうが、それを頭にかぶった責任はカップルにあると思いませんか?

喫茶店を出た私は、これから女性とモーニングセットを食べる場合は、『ゆで卵』を頭で「割り合いっこ」しないようにしようと心に決めたのでした(笑)。
平成14年8月3日(土)<晴れ時々曇り> 「中華そば問答」
 旅の楽しみの一つに、「その土地でしか味わえないものを食べる」ということがありますよね。私は旅に出た場合は、極力その土地の美味しいものを食べようと心掛けます。史跡を巡りながらグルメを味わう、これが最高に楽しいんですよね(笑)。
今回の東北の旅でも、私はたくさんの美味しいものを食べてきました。特に、私は麺好き人間なので、どうしても旅先ではその土地の名物の麺料理を食べることが多くなります。
そんな麺好きな私が、今回の旅ですごく楽しみにしていた麺料理が一つありました。
それは、山形県米沢市の中華そばです。
「米沢の中華そば」は、町の一つの名物料理ともなっていまして、市内の各所に中華そばを出すお店が、非常にたくさんあります。
米沢駅前の観光案内所には、「うわさの食べ歩きガイド米沢:米沢麺業組合マップ」という観光案内図まであるのです。米沢という町は、それくらい中華そばが盛んな土地なんですよね。


さて、普通電車で山形駅から米沢駅に向かった私は、お昼ご飯に食べようと思っていた「米沢の中華そば」に向けて、朝食を抜いて、気合十分でスタンバッテいました(笑)。
米沢駅に12時過ぎに到着した私は、早速、その「中華そば」を食べにレッツゴー!
と行きたかったのですが、事前のリサーチ不足で、どのお店で食べようかを未だ決めていなかったのです。
でも、どうせ食べに行くなら一番美味しいと言われている店で食べたいですよね!
私はまず駅前にある観光案内所に入って、情報を収集しようと考えました。
すると先程紹介した「米沢麺業組合マップ」というものがあるではないですか!
「よし!これを使って食べに行こう!」
と私は手を叩いて喜んだのですが、いざ地図を開けて見てみると、そのマップには62軒ものたくさんのお店が紹介されているのです。

「困ったなあ・・・。こんなにたくさんあったら、どれが美味しい店か分からんわ・・・。」

その麺マップには、店ごとの中華そばの写真は一切載っておらず、文章だけでお店を紹介している形式のものでした。
ですので、私はどのお店で食べるかを非常に悩みました・・・。
そこで私は一つの「グルメ旅の鉄則」を思い出しました。

「迷ったら、地元の人に聞け!」

です(^^)
なので、私は取りあえず観光案内所のお姉さんに聞こうと思いつきました。
観光案内所のカウンターに座っていたお姉さんは、年の頃なら20代後半という感じでしょうか。私はそのお姉さんに向かって、次のように尋ねました。

「すいません。中華そばを食べに行きたいんですけど、どこか美味しいお店とかないですか?」

私は人にモノを尋ねる際に使う「つぶちゃんスマイル」で(笑)、そのお姉さんに尋ねたのですが、返ってきた言葉は意外なものでした。

「どこも美味しいですからね。どことは言えません。」

観光案内所のお姉さんは、顔色一つ変えず、そう答えたのです。
私はその言葉に一瞬「スッ」と引いてしまいましたが、

(あっ、ちょっと聞き方が悪かったかな・・・。)

と思い直し、もう一度別の言い方で尋ねました。

「あ・・・、では、どこか有名な中華そば屋さんとかはないですか?」

私はまたもや「つぶちゃんスマイル」で再びそう尋ねたのですが、またもや観光案内所のお姉さんは、顔色一つ変えず、次のように答えました。

「有名なところはたくさんありますからね。どことは言えません。」

(うっ・・・、このお姉さん、ちょっとコワイ・・・)

私はそのお姉さんの返事の迫力に、また少しひるみました。

(機嫌が悪いのかな・・・)

私はそう思いながらも、それでもまだ諦めませんでした。
折角遠い大阪から米沢までやって来たのです。私には「絶対、美味しい中華そばが食べたい!」という気持ちが非常に強くあったのです。
私は大きな壁となって立ちはだかる観光案内所のお姉さんに対し、またも挑みかけました。

「じゃあ・・・、観光客の人がよく行くお店とかありますか?」
「例えば、よく行列が出来ているとか?そういうお店ありますか?」

私は「負けてたまるか!チェストー!!!」と心の中で叫びながら、間髪入れずにそう尋ねたのですが、観光案内所のお姉さんは、三度無表情で・・・、


「好みがありますからね。どことは言えません。」


と答えたのです。

(うっ・・・、このお姉さん、手ごわいぞ・・・)

私はまたも2、3歩ひるみました。
また、無表情でそう答えるお姉さんの目が、


「そこに麺マップが置いてあんだろ!それで探せよな〜。」


と言っているかのような迫力があるのです。
また、このお姉さん、なぜか語尾に「どことは言えません」と必ず付けるんですよね〜(笑)。
口癖なのでしょうか??
とにかく、そのお姉さんの迫力と眼力の衝撃波を私はまともにくらいました。

でも・・・、私は何としてでも美味しい「中華そば」が食べたいのです!!!!
私は最後の最後、もう一度勇気を振り絞り、お姉さんに言いました。


「じゃあ、どこかオススメとかないですか?よく食べに行かれてるお店とか?」


私は最後の挑戦としてそう尋ねました。
すると、今まで無表情だったはずのお姉さんの顔色が少し変わり、右の眉毛がかすかに「ピクッ」と動いたのです!!

(ヤッタ!!!無表情が崩れたぞ!!!)

と私が心の中でそう喜んだのも束の間、お姉さんは私に言いました!



「私は中華そばが好きじゃないんです・・・」



(ガビーーーーーーーーーーーン!!!!!)
(何やそれ!!!!!!!!!!!!!!!)


(そりゃ〜、お姉さんも無表情やわ・・・・)
(トホホ・・・)

私は「あっ・・・、そうだったんですか。これは失礼いたしました。」と言い残すと、ガックリと肩を落とし、観光案内所を出ました。
(あ〜・・・、自分で探さないと駄目みたいだなあ・・・)
と観光案内所を出た私がしかめっ面をしていたその時、最後の最後に女神が微笑んだのです。

「ゴジラ対モスラ」、いや「つぶ対観光案内所のお姉さん」の戦いを見ていたであろうと思われるおばちゃんが、私のそばに寄って来て、

「お兄ちゃん、『やまとや』というお店が美味しいよ。」
と言ってくれたのです!

(うわぁ〜い!!!!おばちゃん、ありがとう!!!)

私はそのおばさんに深々と頭を下げてお礼を言った後、レンタル自転車を借りて、紹介された中華そばを食べに行きました。
そして味は・・・、すごく美味しかったです!!!!!

皆さんも観光案内所で食べ物屋を尋ねる時は十分気をつけて下さいね(笑)。
平成14年8月2日(金)<曇り時々雨> 「特急乗り場がナイ!!!」
 毎年の恒例となっている今年の夏の旅行は、「東北を軽〜く一周」という感じで、福島県の郡山市を皮切りに、会津若松、仙台、盛岡、角館、山形、最後は山形県米沢市までを旅してきました。
今回の日記は、盛岡から秋田県仙北郡角館町に移動する際に起こったちょっとしたハプニングです(笑)。

盛岡から、東北の小京都と呼ばれている角館までは、秋田新幹線「こまち」で約45分で行くことが出来ます。
しかし、ここで私は大きな勘違いをしていました・・・。
少しおっちょこちょいな性格の私は、この「こまち」新幹線ではなくて、
特急だとばかり思っていたのです・・・。
これは後から気付いたのですが、盛岡から角館に行く電車には、特急なんか無いんですよね(大汗)。盛岡から角館までの田沢湖線は、普通電車か秋田新幹線の「こまち」の二つしか走っていないのです。
僕はJTBが発行している時刻表の田沢湖線の部分のコピーを手元に持っていたのですが、新幹線は新幹線のページにしか書いていないものだと勝手に思っていまして、そこに書かれている「こまち」が新幹線だとは分かっていなかったのです。(←ほんとうに、おバカな男です・・・)
そして、その事が原因でちょっとした一騒動が起こったのです。

「じゃじゃ麺」を食べ終えて、盛岡駅に午後2時20分に戻ってきた私は、早速、JRのみどりの窓口で、特急だと勘違いしていた2時40分盛岡発秋田行きの「こまち」の乗車券を購入しました。(「じゃじゃ麺」については、「愛加那さんの部屋」の書き込みをご覧になって下さいね。)
私はみどりの窓口でも、「『特急こまち』の乗車券を下さい!」と大声で言ったにもかかわらず、係員さんはその私の言葉をまったく否定もせず乗車券を発券しました。おそらく係員さんにとっては、私のそんな間違いはどうでも良かったのかもしれませんね(−。−;

さて、乗車券を買い終えた私は、発車時刻までまだ時間があったので、取りあえず在来線の乗車口だけを確認して、発車の10分くらい前まで、駅構内のお土産屋さんで自分用に買って帰る「南部鉄の風鈴」を見ていました。
ちょっと話はそれますが、「南部風鈴」は、ほんとうに良い音色ですよね〜。
今、家の軒先に吊るしているのですが、「チリン、チリン」と鳴り響く音色は、ほんとうに心が和みますよ〜。

あっ、何だか話が変わりましたが、そんなこんなで風鈴に魅せられて、どれを買うかで迷ってしまったため、予定以上に時間がかかり、時計を見ると、もう2時33分になってしまいました。
「あっ、もうこんな時間や。そろそろ行かないと。」
私は、購入した風鈴を慌ててリュックの中に押し込み、在来線の乗車口に走りました。
しかし、切符を見せて改札内に入ろうとすると、駅員さんが、
「ここではありません。2階の乗車口からです。」
と言うではありませんか。

「えっ?ここじゃないの?!」

電車の発車時間まであと5分。私は慌てて駅の2階へと階段を駆け登りました。
しかし、2階に辿りついても、「特急乗り場」と書かれている表示は見当たらず、「新幹線口」と書かれている入口だけしか無いのです!
今から考えれば、ほんとうに当たり前な話なんですけど、「こまち」を特急とばかり勘違いしていた私は、有りもしない「特急乗り場」を探していたのです・・・。

2階に来ても「特急乗り場」が無かったことで、私は完全にパニックに陥りました。
腕時計の時間を見ると、発車まであと3分なのです!
私は焦りました。

「やばい!このままだと乗り遅れる!!」

グズグズしている暇はありません。新幹線口にいた駅員さんに切符を見せて、
「この”特急”に乗りたいんですけど、どこから乗ればいいですか?」
と悲壮かつ大きな声で尋ねました。
すると、駅員さんは、
「これは向こうの乗り場だねえ」
と違う方向を指差すのです!

(ガビーン!!!)
(やっぱり「特急乗り場」と「新幹線乗り場」は別なんだ!!!!)

ここでもまた駅員さんは私の「こまち=特急」という勘違いを否定してくれなかったんですよね。なぜなんでしょう??
とにかく、駅員さんが何も否定しない現状だったので、私は「特急の乗り場」があるという幻想を抱いたままで、重いリュックを背負い、指差された方向へ懸命に走りました。
しかし!!!!
たどり着いた乗車口に書かれていた文字は、またもや
「新幹線口」ではありませんか!!!

「違うんだよ!新幹線じゃなくて、特急に乗りたいんだよ!!!!」

私は大きな声で独り言を呟きました。

「どこから乗ったらええんや???」

私はぐるっと周囲を見渡しましたが、「特急」なんていう文字は一つも見当たりません。

「なんて、不親切な駅なんや!!!」

私は少々逆ギレを起こしかけていましたが、それと同時に、年甲斐も無く、正直泣きそうになりました。
腕時計を見ると、もう発車2分前なのです。
「終わった・・・。もう間に合わない・・・。」
存在するはずも無い「特急乗り場」をずっと探し続けていたおバカな私は、新幹線口の前にうなだれるように、座り込みました。
私は時間にはうるさくて、人を待たせることもなく時間に正確に動く人間なのに、旅先で電車に乗り遅れるなんて初めての経験です・・・。
私は大きなショックを受け、ここで完全に諦めかけたのですが、頭を抱えている私の様子を不審に思ったのか、新幹線口にいた駅員さんが寄ってきて、
「何かお困りですか?」
と声をかけてきてくれたのです。
私はか細い声で言いました。

「す・・・すいません。こまちという”特急”に乗りたいんですけど、どこから乗れば良いのでしょうか?・・・」

すると、駅員さんは大きな声で、言い返しました。

「こまちは特急やないよ。”新幹線!”

(ガ・・・・ガビーン!!!!)

やっと大きな勘違いに気付いた私は、完全に放心状態になったのですが、その駅員さんはすかさず、私に言いました。

「早く行かないと乗り遅れるよ!この上のホーム!」

その声に反応した私は、階段を駆け登り、目の前に停車していた「こまち」に無事乗車しました。
そして、こまちに乗り込んでから10秒くらいした後に、「プシュー」と新幹線のドアが閉まったのです。

「間に合った・・・」

私は電車の乗車口に座り込むと、その後、大きな声で呟きました。

「ハ・・・ハハハハハ。ヤッ・・・タ、ヤッタぞ〜〜!!!!」

何が「ヤッタ!!!」なのか、今から考えれば恥ずかし過ぎてよく分かりませんが(笑)、私がそう呟きながら大きなガッツポーズをして拳を振り上げている様子を、一人のおばちゃんが不思議そうに見ていたことだけは、付記しておきます(爆)。
皆さんも、東北の電車の時刻表にはご注意下さいね。(←誰もそんな勘違いしないって!!笑)
平成14年5月1日(水)<曇り時々晴れ> 「船中での空腹地獄」
 今年のGWは、宮崎・鹿児島へと旅をしてきました。行きは、大阪から宮崎まで夜行フェリーで、帰りは鹿児島から大阪へ長距離バスという、いつも通りのハードな日程だったのですが、旅立つ前日の晩からワクワク・ドキドキでした。旅の前日というのは、何でいつも眠れないのでしょうか?(←完全に小学生から成長していません・爆)

 眠れぬ夜を過ごし(笑)、そして夜が明けた5月1日(水)。
睡眠不足の割には元気一杯で仕事を定時に早々と終わらせ、宮崎行きフェリーに乗船するため、職場から大阪市南部にある「南港・かもめ埠頭フェリー乗り場」へと一路電車で向かいました。
 宮崎行きのフェリーの出航時刻は、夜7時30分。私の職場からフェリー乗り場までは約1時間20分くらいなので、「5時過ぎに職場を出れば楽勝だな!」と思っていたのですが、実はこの宮崎行きのフェリーが出航している「かもめ埠頭」というのは、車かバスを利用しないと行けない場所にあるのです。「かもめ埠頭」に行くためには、大きな橋を渡らなければならないのですが、その橋は自動車専用道路となっているので、歩いて行くことが出来ないのです。ですので、バスを利用しようと思って時間を見たら、6時台しかバスが走っていないではありませんか!初めはフェリー乗り場に行く途中で夕食を取ろうと考えていたのですが、バスの時間を考えると、そういう余裕はありません。

「まあ、船の中で食べればいいや!」

なんて私は軽く思っていたのですが、この安易な決断が、その後、私を地獄に落とすことになろうとは、旅の前で浮かれてルンルン気分になっているその時の私には、気付くはずもなかったのです。

 さて、何とかバスにも間に合い、そしてフェリーに無事乗船した私は、予約していた2等寝台のベットに荷物を置くと、「ワァーイ!!」と子供みたいに船の甲板に出ました。私は事ある毎に書いていますが、船旅が大好きなのです。私は甲板に出ると、「今から旅が始まるんだなあ〜」なんて感慨に浸りながら、暗くなっていく大阪の港の景色や海を眺めて、旅行気分に浸っていました。
 そして、30分ほど甲板に出ていた後、私はお腹が急激に減ってきたので、当初の予定通り、船内レストランに向かうことにしました。実はこの日の昼食も、余り食べ過ぎては船の中で気分が悪くなると大変なので、少し抑え気味に食べていたのです。
 ですので、もう、お腹はペコペコ・・・。私は急ぎ足でレストランへと向かったのです。しかしながら、船内レストランは、GWの混雑のためか超満員!!確かに、この日は満席に近い状態だったので、客が多いなとは思っていたのですが、これほどとは!!

(みんなご飯くらい食べて船に乗ればいいのに・・・)

なん〜て、自分がご飯を食べて来なかったにもかかわらず、そう心の中で呟いた私は(笑)、もう少し時間が経ったらお客も減るだろうと思い、仕方なく自分の船室に戻り、ベットに横になりました。

(くぅ〜〜〜〜)

横になってリラックスすると、私のお腹はより一層悲鳴をあげてきました。
「お腹空いた・・・」
私は何とか空腹と戦いながら、そして本を読んで時間を潰しながら、その1時間後、また船内レストランへと向かったのです・・・。
しかし!何と!船内レストランは、「客がさらに倍!」になっているではありませんか!!
(みんな考えることは一緒か・・・)
私は何だか悲しい気持ちになり、また船室へと戻りました。
(あと、30分したら、もう一度行って見よう・・・)
私は空腹と戦いながらも、何とか気を取り戻し、そう決意した瞬間、そんな私を地獄に落とすような恐ろしいアナウンスが船内に響き渡ったのです。

「ピンポンパンポン」(←音です。笑)
「皆様、本日の船内レストランの営業は、午後9時30分にて終了させて頂きます。」

(な・・・・何!!!!!)

私は耳を疑いました。だって、もう時間は9時20分になっていたのです。

(終わった・・・。僕の夕食は・・・。)

私は一人旅・・・。こんな悲しい気持ちを誰にも伝えることが出来ず、私は船内の売店へと向かいました。船内レストランが駄目なら、売店で何かを買おうと思ったからです。
しかし・・・、売店にはロクな食べ物が残っておらず(みんな考えることはまた一緒でした・泣)、私は小さなクリームパンとバームクーヘンを買い、船室に戻りました。

(旅の始まりが、こんな惨めな夕食とは・・・。「母を訪ねて三千里」のマルコの食事やないんやから・・・。)

私は、自分のくだらないギャグに、自分で精彩の無い突っ込みを入れながら、二つのパンを噛み締めて味わうように食べたのですが、大の大人がこんな食事で空腹が満たされる訳もありません・・・。そのため、私はお菓子でも買いに行こうと思って、再び売店に向かったのですが、何と!
もう、売店の営業が終わっていたのです・・・。

「オー・マイ・ゴッド!!!」

私は生粋の日本人にもかかわらず、売店の前で自然とこの言葉が口に出ました。
完全に意気消沈した私は、とぼとぼと船室に戻りました。
船室のドアを開けると、隣のベットに居た若い男性客が、ほんと天国にも昇りそうな至福の笑顔で、そして美味しそうな顔をして、お弁当を食べているではありませんか!

(この兄ちゃん、俺にイヤミで食べてんのか?・・・)

その男性が、私が空腹状態でいる事なんて知ってる訳もないので、そんな事は当然無いのですが、そう考えてしまうほど、空腹が私の心をすさませていたのです。

(何もあんな笑顔で食べることないやん・・・)

私は腹立たしいやら、泣きたいやら、複雑な気持ちで横に寝そべったのですが、その瞬間、私はスゴイ事を思い出してしまったのです!

(そうや!そう言えば、昨日の晩に、リュックにポテトチップスを入れてたっけ!!)

私は前日の晩に荷物を用意していた時、たまたま家にあった小さなポテトチップスを、おやつ代わりにリュックの中に入れていたのを思い出したのです!

(神様〜!仏様〜!そして、西郷様〜!(爆) ほんとうに、ありがとう!!!)

私はリュックをあさって、小さなポテトチップスを発見しました。そして、袋を破ると、その中の一枚を口の中に放り込みました。

(五臓六腑に染み渡るとはこういう事を言うのね・・・)←バカ?(笑)

私はポテトチップスの美味しさに感激しながら、一枚、二枚と食べていたのですが、そこに思わぬ落とし穴が待ち受けていました。

私のベットは二段ベットの上だったのですが、下のベットには、幼稚園くらいの小さな女の子と母親の親子連れが居ました。私は乗船していた時からそれは分かっていたのですが、その小さな女の子の方が、船室に響くような大きな声で、


「ママ! ポテトチップスのニオイがするよ〜」


と叫んだのです。


(ギクッ!!!!)


私はその言葉を聞くと、ポテトチップスを口に加えたまま噛むことが出来ませんでした。

(恐るべし・・・、子供の嗅覚・・・)

たった3〜4枚程度食べただけなのに、そのニオイを嗅ぎ付けるなんて、子供の嗅覚は研ぎ澄まされていますね(笑)。いや、もしかすると、私が食べていたのが普通のポテトチップスではなく、ニオイがきついコンソメ味だったからかもしれません(笑)。
しかし、その女の子はそんな私の動揺した状況も知らず、追い討ちをかけるように、

「ママ! ポテトチップスが食べたいよ!!!」

と言うではありませんか。
私は口に加えたポテトチップスを噛む音が鳴らないように、はんなりと噛みながら飲み込みました(爆)。
それでも、その女の子の暴走は止まりません。

「ママ! ポテトチップスが食べたい!食べたいよ!!」

その女の子は、私のポテトチップスのニオイにそそられて、母親に向かってダダをこねているではありませんか。しかし、それを聞いた母親は、

「駄目!もう、売店が閉まってるから買えないの!我慢しなさい!」

と女の子をなだめますが、女の子は納得しません。

(そうなのよね。売店は閉まってるのよね。だからね、お嬢ちゃん、お兄ちゃんはポテチを食べてるんだよ。夕食代わりに(涙)。)

と、私は心の中で女の子にそう懇願していたのですが、暴走機関車と化した女の子の爆走は止まりません。

「イヤだ!イヤだ!ポテトチップス、ポテトチップス!!」

私はその女の子がだだをこねる声を聞いて、大人のくせに正直泣きかけました・・・。


(神よ!あなたはこんなに空腹の私に、これ以上の試練を与えるのですか・・・)


私の葛藤タイムは数十秒続きました。
子供にポテトチップスを上げるべきか、それとも無視して食べ切るべきか(爆)。
でも、私は、ベットから身を乗りだし、下のベットに居た少女のお母さんに向かって、

「これ、どうぞ、食べさせてあげて下さい。」

と私の唯一の食料であり、希望であったポテトチップスを、震える手で差し出しました(笑)。そして、その私の申し出を受けたお母さんは、

「えっ?よろしいんですか?」

と聞くので、私はにこやかな笑顔で、

「ええ。僕はお腹一杯なので。どうぞ!」

とポテトチップスを女の子に渡したのです。
女の子はポテトチップスを受けると、「ヤッター!!」とばかりに喜んで、ポテトチップスを口に入れて食べ始めました。私は少女の喜ぶ様子を見ると、

「僕って、いい奴だよなあ・・・」
「僕って、いい奴だよなあ・・・」
「僕って、いい奴だよなあ・・・」

と3回ほど自問自答を繰り返した後、ベットの照明を消して、すぐに就寝したことは言うまでもありません。
今度からは、船に乗るときは夕食を済ませ、おやつは2種類持っていくことにします(笑)。
平成14年1月25日(金)<晴時々曇> ビックリ仰天注文!!
 この日の仕事中、何か無性にトンカツが食べたい衝動にかられてしまったので、仕事の帰りに、大阪の梅田のあるトンカツ屋さんに寄ることにしました。午後5時30分頃、早めに仕事を終えた私は、すぐに帰り支度を済ませ、夕方6時過ぎに、梅田のトンカツ屋に到着しました。店内に入ると、まだ夕食時には時間が早いためか、客はパラパラといる程度で、かなり店内は空いているではありませんか。
(良かった。早く食べれそうや!)
私はちょっと得した気分になり、早速「ロースカツ定食」を注文しました。このトンカツ屋さんは、私の行き付けとまでは言いませんが、たまによく行くトンカツ屋さんなのです。ですので、だいたいここに来ると「ロースカツ定食」を食べるんですよね。
 そして、約10分後、私の前にアツアツの揚げ立てのトンカツが運ばれて来ました。
(美味そう!)
お腹がめちゃくちゃ減っていた私は、まずはトンカツには付き物の赤だしのみそ汁をズズッーとすすり、トンカツを一口頬張りました。
「美味いなあ〜。」
私は、アツアツのトンカツの美味さに、思わず一人で呟いてしまいました。お腹が減っている時に食べるトンカツって、何でこんなに美味しいんでしょうね?(と、皆さんに同意を求める・笑)
私は続けさまにキャベツの千切りを口に含んで、トンカツをガツガツと食べ始めたのですが、その時、店内に一人の男性客が入ってきました。

 私は店の入口に近い席に座っていたので、自動ドアが開いた瞬間、何気なくドアを見たのです。すると、店に入ってきた男性は、ほんと見るからに恐そうな、タレントで言うなら、志賀勝と安岡力也を足して2で割ったような、ものすごいコワモテの男性だったのです。

(うわ、恐そうな人が入ってきた・・・。)

私は見かけで人を判断してはいけないと思いながらも、その男性の異様な出で立ちと体から溢れ出す圧迫感で、咄嗟にそう感じてしまったのです。

 その男性は、一人で来店したため、私の一つ隣の二人掛けの席に案内されたのですが、首には分厚い金のネックレス、指にもこれまた分厚い凶器になりそうなくらいの金の指輪が3つほど、そしてやたらとデカイサングラスをかけていました。服装はと言うと、真っ黒のジャケットに、眩しくて目が焼けてしまうくらいに光ったエナメルの靴。もう、見るからに、どこかの組長のような出で立ちだったのです。
そして、その男性は、席に座るなり、


「あ〜、しんど〜。腹減ったわ〜。」


と、ものすごいダミ声(←ここ重要・笑)で呟くではありませんか。

(わちゃ〜、コワイ人が近くに来てしもた・・・。)

 幕末で例えるなら、「ペリー来航」の際に、日本人が感じた何かしら得体の知れない、何かしら迫り来るような異様な恐怖感と同じようなものを、その時の私は感じてしまいました(爆)。(←バカ)
この「トンカツ屋のペリー来航」により、私は一気に泰平の眠りを覚まされ、残りのトンカツを一生懸命食べ始めました。

(さっさとトンカツを食べて早く店を出よう。)

と、咄嗟にそう思ったのです。
そこに、お店のアルバイトらしい男性の店員が、そのコワモテの男性に、お茶とおしぼりを持ってきて、
「ご注文はお決まりですか?」
と、たずねました。すると、そのコワモテ男性は、

「おっ、兄ちゃん、すまんなあ。ちょっと待ってくれ!」

と、またもやたらにデカイダミ声で言うと、開いたメニューを穴が開くほどに熟視しています。

(よっぽどお腹減ってるんやろうなあ〜・・・)

私は、自分のトンカツを一生懸命に食べながらも、そのコワモテ男性が食い入るようにメニューを見る姿に、またも一種の異様な恐怖感を感じてしまいました。
すると、そのコワモテ男性は、またも大声で、なおかつダミ声で、

「腹減ってるからなあ〜、何にしようか〜。」

と言うのです。

(誰に呟いてるねん!)

私は心の中でありながらも、非常にか細い声で突っ込んでしまいました(笑)。


 コワモテ男性のメニュー熟視は、その後約3分間ほど続きました。
そして、コワモテ男性が一言、

「よし、決まった。」

とダミ声で呟くと、「兄ちゃん、兄ちゃん!」と店員を手を挙げて呼んだのです。
先程のアルバイトらしい男性の店員がそれに反応し、再びやって来て、
「ご注文はお決まりですか?」
とたずねました。コワモテ男性は、その問いかけに、

「おう、決まったぞ!」

とデカイ声で返答しました。

私は、男性の身なりと体つき、また、「腹減った〜」を連発している姿、そして、こんなに何を食べるか悩んだのだから、どんな分厚いトンカツを食べるんだろうと思って興味津々だったのですが、そのコワモテ男性は、次の瞬間、恐ろしい言葉を発したのです!!!!



「レディースセット一つ!!」



(レ・・・レディースセット?????????)
私は、すすっていた赤だしが、思わず逆流しそうな衝動にかられました。
そして、その恐ろしいほどのギャップに、トンカツを持つ手が震えが止まらないほど、笑いがこみ上げてきました。
私は笑い顔を出すまい、と必死に我慢していたのですが、コワモテ男性から発したこの笑いの衝撃波は、アルバイトらしい若い男性店員にも襲いかかっていたのです。
男性店員は、予想だにしなかったコワモテ男性の仰天注文に、

「は・・・はい、か・・・しこまり・・・ました。」

と、必死に笑いをこらえて、震えるような声で言いました。
そりゃ〜、そうでしょうね。客の注文を聞いて、店員としては笑えませんもんね(笑)。
またまた、幕末に例えるなら、コワモテ男性とレディースセットとの恐ろしいギャップは、例えば、ペリーが浦賀に来航した際、恐れおののく日本人に向かって、開国要求をせずに、

「すいません。トイレを貸りに寄っただけなんですぅ〜。」

と言ったような感じであったと言えるでしょう(爆)。(←再びバカ)

私は笑いを必死にこらえながら何とかトンカツを食べ終え、店の外に出て、ショーケースに陳列されてある「レディースセット」の内容を確認すると、一言、ニヤケながら呟いてしまいました。

「あのコワモテのおっちゃん、どうしてもエビフライを2匹食べたかったんやなあ・・・」

(注・レディースセットだけが、エビフライが2匹付いていたのです・大爆笑)